『女性に必要な12の力』 斉藤孝
この本の内容は婦人画報で連載されていたものだそうで、あの雑誌にこういうページがあったなんて意外な感じがします。
齋藤さんと12人の女性との対談なのですが、それぞれの方と記念写真を撮ってるのが妙に可笑しいです。みんなニコニコしていて、かなりいい感じ。そしてしっかり家庭画報な感じも出ているんです。えっ、よく分からないって?見てみれば分かるって。
黒柳徹子さん=セクシー力
「そういえばね、昔ね、渥美清さんによく言われたの。「お嬢さんは外人だ。歳とってバアサンになればなるほど、もっと外人みたいになるんだろうな」って。
「舞台観てると、まったくもってそうですよ。日本語でしゃべってるのに。」
「岡田真澄さんにもね、「君といると外国人といる気がする」って。あなたこそ、半分外国人じゃないのっていいましたけど(笑)。
セクシーさって何とも難しい能力だけど、人間の内側からかもし出される雰囲気とか、生き方なんだろうなって思います。それをしっかり持っている黒柳さんに憧れちゃいます。
美輪明宏=パッション力
(評論家達は)己の言葉が自分の全人格のストリップだということを忘れている。ただの悪口ジイサン、悪口バアサンばかり。
平和な世の中なのにね、まるで戦争中のように会話に余裕がないんです。
美輪さんの力強さって、本当に凄いです!評論家達からバッシングされたり、いろんなツライ目にも遭ったのに、それらをすべて跳ね飛ばしてしまう力に溢れているんですね。
今の日本に足りないのは余裕、そして教養だというのは、わたしも同感です。
美しいものを美しいと感じる感性って、心の余裕があってこそ。せわしない毎日に埋もれてしまっていては何のために生きているのか判らなくなっちゃいますもの。
フジコ・ヘミング=別人格力
他の人が持っていない長所をほめられたら、そこをもっと強調すれば。
素晴らしい才能を持っていながら、ピアニストとして認められたのはずっと後のこと。「どうしてこんな目に遭わなければならないの?」と苦しんだこともあったけど、自分の才能だけは信じていたって、凄いことです。
日本の教育って平均点主義だから、すべてがそこそこに出来るのが良いような幻想が出来ちゃうんですよね。そんな人なんているわけがない。だって、みんな違うんだもの。人と違うところを直すんじゃなくて、人と違うところを伸ばすということこそが、素晴らしいことなんですよね。
人と違うところをけなすんじゃなくて、誉めるってことこそが大事なんだなって思います。誰かから誉められて初めて知ることって多いですもの。
他の方たちのいろんな力も本当に魅力的!これって、女性だけじゃなく、男性にも必要な力ですよ。
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