『80対20の法則を覆す ロングテールの法則』 菅谷義博
余りにも有名な80:20の法則。「売上の80%は20%の優良顧客が生み出す」という考え方ですよね。
全ての顧客に注意を払うよりも、20%の顧客に集中すべきだという理論なのですが、本当にそうなのだろうか?というところからこの本は始まります。
ロングテール、つまり長い尻尾ということですが、この本の表紙の絵を見ると分かりやすいですね。黄色いところがテール(尻尾)なんですけど、このしっぽの部分がこれまではもっと短いものだと思われていたんです。
ところが、この尻尾が意外に長いんです。長ーい尻尾の部分を積み重ねていくと、山の高いところよりも大きな数字になってしまうというのです。
たとえば Amazon では、年に数冊しか売れないような「売れない本」の量があまりに多いため、なんと「売れない本」の売上が「売れる本」の売上を上回ってしまっているというんです。
これまで「こんなもの売れないよ」と思ってたものも、チリも積もれば山だってことですよね。
ここからは、わたしの見解なのですが。
たとえば「これまでにこの商品を買った80%は若い人だった」というような実績があったとしますよね。これまでなら残りの20%の人達は切り捨てられていました。その20%って何故20%なのかってことに、もっと興味を持つべきだと思うんです。
フリースを日本中に普及させてしまったユニクロって、比較的若い層を狙っての商品構成ですよね。でも、うちの近所のお店では年輩の方もかなり見かけます。軽くて、暖かくて、洗濯も簡単なフリースでファンになっちゃった方が多いみたいなんです。
牛丼の吉野屋っていえば、男性客がメインですけど、最近は若い女の子も来るし、お年寄りも来るし、小学生だってかなりいるんですよ。ライバルの松屋では、男女カップルがかなり多いし、そういうお客さんのことを考えずにはいられないでしょう!
今まで少数だと思っていた客層だって、ちょっとしたアイデア次第では、数が増えるのかもしれないし。たとえ少数であっても、一人あたりの落とす金額が高くなるのかもしれないし。その人自体からの売上げは少ないかもしれないけど、クチコミで他のお客さんを呼んで来てくれているのかもしれないしね。
自分が無視してしまっているものって、きっとこの80対20の法則みたいに「そんなものだと思いこんでしまっている」ものじゃないかと思うんです。
何故自分はこちらを選ぼうとしているのか?あちらを外そうと思うのは何故なのか?そんなことを、これからは心がけようと思います。
わたしの中にある「偏見」が一つでも少なくなるように!
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