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『脳のなかの幽霊』 V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー

脳のなかの幽霊

V・S・ラマチャンドラン

サンドラ・ブレイクスリー

角川文庫

 キング堂 さんのところで「脳のなかの幽霊 ふたたび」の記事を読んで、こりゃ読まないと!と思ったんです。図書館へ行ってみたら、ラマチャンドラン教授の第1作目「脳のなかの幽霊」があったので、読んでみたらもの凄く面白い!

 あなたの体そのものが幻であり、脳がまったくの便宜上、一時的に構築したものだ。(本文より抜粋)

 普段自分が見ているもの、聞いているもの、感じていること、それは多少の差こそあれ他の人も同じように見たり聞いたり感じたりしていると思ってますよね。

 人間の脳ってとても精巧に出来ていて、いろんな働きをしてくれているのだけれど、それと同時に、かなり変なこともしてしまうものだって考えたことありますか?

 例えば、脳卒中で半身が麻痺してしまったとします。他人から見れば麻痺しているという事実はすぐに分かります。そして本人も自覚しているのだろうと思いますよね。

 ところが、麻痺している本人に「麻痺している」という自覚がないということがあるんだそうです。言い方を変えれば、「麻痺している半身」の存在を感じる感覚が麻痺してしまうわけです。

 そうなってしまうと、その人にとっての自分は元気な方の半分でしかないわけで、顔の右半分は綺麗に化粧をして髪もとかしているのに、左半分は洗顔もせず、髪もとかさずという、なんとも不気味な状態になってしまうというんです。

 もう一つ、印象的な症例は、事故などで腕や足を失ったのに、その感覚を感じることがあるってことです。身体の全ての機関は脳とつながっています。ある部分がなくなったとしても、それを管轄する脳の側はなくなっていないから、別の所に配線し直してしまうようなんです。

 だから、ないはずの肘が痛かったり、足の指の感覚を感じたりしてしまうというんです。それが「脳のなかの幽霊」なのですが、これに悩まされている人が数多くいるということは、この本で初めて知りました。

 この本を読むにつれ、こういう幽霊はわたしの脳のなかにもいるんじゃないかな?という考えが頭から離れなくなりました。

 間違って配線されたまま、気がついていない何かに縛られているのかもしれないってね。

 著者のラマチャンドランさんは、白人中心の社会で生きているインド系の人間として、他の人とは違った視点で患者さん達を見ているんだなぁということを感じます。

 西洋の医学というのはとかく科学一辺倒になりやすいのだけど、彼の言葉から東洋的というか、哲学的というか、とにかく一般的な科学ではないものを感じるんです。続編が出ているとのことなので、そちらも楽しみです。

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文庫になっていたので、やっと読みました。
ROKOさんに薦められた時すぐ読むべきでした。
こんな傑作を読んでいなかったとは、自分が恥ずかしいです。

goldiusさん☆おススメした甲斐がありました
自分の脳の中こそが、一番の未知の世界なのですね。
続編も面白いので、是非読んでくださいね。

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