『気づく力』 畑村洋太郎
まず考えられるのは、「それを大事なことだと認識しないから」ということです。大事故が起きたときなどに必ず「大丈夫だと思ってました。」「大した問題だとは思いませんでした。」なんていうセリフが必ず出て来ますよね。
日常会話の中でも、「身体がダルかったんだけど、タダの風邪だと思ってたんだよね。」なんて言ってる人良くいますよね。「だけどさ、いつまで経ってもダルさが直らないんで医者に診てもらったら肝炎だったんだよ。」とか、「咳があんまりひどいので医者へ行ったら肋膜炎だった。」なんてことがあるんですよね。(これどっちもホントの話)
「あのネジが外れやすいとは思ってたんだけどさぁ」「賞味期限をちょっと長めに変えてしまいました」なんてことを、まずいなぁと思いつつもOKを出してしまったり。
大事な仕事なのに、やりたくないからって後回しにしているうちに他の仕事が押してしまって、穴を開けてしまったり。
悲観主義より楽観主義の方がいいとはいえ、意味のない楽観主義に陥ってしまっていることが多すぎるような気がします。
「これ迄いつもこれで問題なかったから」というのも怖いです。新しい環境に順応できずに起きている問題は沢山あります。時速50キロで曲がれたカーブも、時速80キロでは曲がれないというような事態はあちらこちらにあります。法律だって新しい業態などには対応し切れていません。
「誰かの後にくっついていけばいいや」的な行動をしていた人には、これからの時代はとても危険です。自分の意志で、自分の好き嫌いで、自分の決断をしなかったら、どんどん流されるだけです。
間違ってもいいんです。次の機会に間違わなければいいんですもの。大事なのは自分で考えて、自分で行動する。自分で決断して、自分で責任をとるってことです。常に自分に問いかけ続けること、それこそが「気づく力」だとわたしは思います。
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