『リビング』 重松清
夫婦とか、友達とか、身近な人間との関係って、気にしないでいると何て事ないんだけど、気にし始めるとトコトン気になるものなんだなぁということを感じさせてくれる短編集です。
8編の短編と、春夏秋冬の4編がある「となりの花園」が絶妙なバランスで並んでいます。
新しく引っ越してきたお隣の家の庭のせいで気が散ってしまって、仕事が進まなくなってしまうイラストレーターの奥さん。仲がいいのか悪いのか分からない幼なじみのおばあちゃん達。別れてくれという奥さんと、それが何故なのか理由が分からない旦那さん。
身近にこんな人いるよなぁって思ったり、わたしもそんな事を感じてたんだって思ったり、普通の生活の中にはこんなにも物語があるんだよってことなのでしょうね。
「ひとごと」と「自分のこと」って関係ないと思っていても、どこかで繋がってるんだなぁって思います。「ひとごと」だったら冷静に考えられるのに、「自分のこと」になった途端にわけが分からなくなってしまうのって、何故なんでしょう?
後になってみれば、我が事ながら笑っちゃうような事って沢山あるんですよね。
そんな自分を思い出させてくれる一冊でした。
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リビング
12編の短編集。
「婦人公論」で連載されていた短編集。その号の特集に合わせて書かれたようで、それこそ何処にでもあるような悩みとかをテーマにして書かれているので、読んでいてもその世界がなんとなく分かるような・・、しかし経験してはいないので、 [続きを読む]
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