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『ことばと文化』 鈴木孝夫

ことばと文化
ことばと文化
posted with amazlet on 06.05.13
鈴木 孝夫
岩波書店

 日本人が外国語が不得手で、国際会議でも、学会でも、実力の割におくれをとるのは、語学力そのものの点よりも、むしろ問題は、自分を言葉で充分表現する意志の弱さ、それも相手の主張や気持とは一応独立して、自分は少なくともこう考えるという、自己主張の弱さに原因の大半があるように思えてならない。(本文より抜粋)

 この本は30年も前に書かれたものなのに、全然古さを感じない。というよりも、今の世の中を見て書いているのでは?とすら思えてくる。

 例えば英語を勉強するときに、わたしたちはその表面だけを勉強していないだろうか?わたしたちが勉強するとき、自分よりも前に英語を勉強した人に習うのが普通だ。そうすると、その人のフィルターを通した英語を習うということになる。結局「日本人の考える英語」というものを学習しているに過ぎないのではないか?

 この本の中で、そういった点がたくさん指摘されている。たとえば「LIP」という言葉を日本語でいうと何といいますか?と聞けば、大多数の日本人は「くちびる」のことと考えている。

 でもね、そうじゃないんですって!

 男の人の鼻の下にヒゲ(MUSTACHE)が生えますよね。その部分も LIP に含まれるんですって!知ってた?逆に言えば、英語には「鼻の下」という表現はないという事になりますよね。これはスゴイ発見!

 それ以外にも、その国で生活してみないと分からない表現、分類というものがいろいろあるわけですよね。エスキモーは雪や氷の表現をたくさん持っているとか、逆に暑い国では「氷」という単語がなくて「固まった水」という表現になってしまうとか、言葉や考え方というのは、それぞれの生活に密着したものなんですね。

 日本には日本独特の表現があります。代表的なのが「一人称」でしょう。私、俺、僕、自分、おいら、あたし、手前、etc... こんなにあるのって日本語だけです。一人称だけで相手との関係、自分の職業や育った環境などが表現されてしまいます。

 日本人の頭の中では、常に他の人との関係が大きな問題なんですね。だから自己主張するよりも、相手とのバランスを先に考えてしまう。これは外国の人にはかなり理解しがたい発想ですよね。この頃は、日本人同士でも、相手の考えていることがよく分からないというのが問題になってます。

 外国の人達のことを理解しようと努力することと同時に、日本人はこういう人種なんだよってことを世界に発信していくことが大事なのだなぁって思います。

 日本にはこんなに凄いところがあるんだよ!
 日本の食べ物は身体に優しいんだよ!
 日本には歴史と最先端の技術が共存しているんだよ!

 日本っていい国なんだよ!

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コメント

Roko様!こんばんは。
一度コメントしたのですけれど、駄目だったようですねww
この作品は、私が学生の時に感想レポートを出したので、
よく覚えています。文化人類学の授業でした。
あと、”バナナと日本人”ww
今こうしてみると、作品の内容よりも、Rokoさんの
感想のほうがはるかに面白くてタメになります。
>日本っていい国なんだよ!
どうしてその言葉を素直に書かなかったのかと。
書けなかったのかと。
凄く”目から鱗”状態です。
もう一度読ませて頂きます。今から。

brownsugarさん☆ココログの調子が最近変みたいで、ご迷惑をおかけしました。
日本人の課題は自信を持つということかな?と思います。
YMOだって言ってるじゃないですか。
「あぁ、日本はいい国だなぁ!」

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