『あなたの脳にはクセがある』 養老孟司
安全に暮らして、人生を先延ばししておけば、長生きはできるかもしれない。しかしそれが生きていることだと、どうして思うのだろうか。(本文より抜粋)
わたしが子供の頃、世の中は今よりもっとシンプルでした。冬の暖房はコタツかストーブ、寝るときに寒ければ湯たんぽか豆炭のアンカ。夏には扇風機こそあったけど、すだれや打ち水が当たり前、寝るときには蚊帳を吊っていました。
スイカは夏にしかなかったし、バナナは高級品だったし、電車に乗らなきゃソフトクリームは食べいいかれなかったし、家にお風呂がなくて銭湯へ行くのが普通でした。
今から考えたらないものだらけだったけど、ちっとも不自由じゃなかったというか、むしろ楽しいことが多かったような気がします。
ゴム段も、縄跳びも、石蹴りも、電気鬼も、ダルマさんが転んだもよくやりました。ザリガニ釣りや蝉取りに行ったり、工場の塀の上を歩いたり、工事現場の砂利置き場で遊んだり、タダでいくらでも遊べました。
今の生活って、本当に便利になりました。でも、何にでもお金がかかります。便利になった分だけ規則も増えました。アレやっちゃいけません。コレやっちゃいけません。アポなしでお友達の所へ遊びに行ってはいけません。1人で遠くへ行っちゃいけません。危ないからやめなさい。
本当はちょっと危ないことの方が楽しいのに、安全ばかりが先に立ってしまって、つまらない毎日を送る羽目になってしまうのが現代生活なのかなぁ?なんて思います。
雨が降れば湿気を取って、暑ければ涼しくしてっていう生活は、一見便利なようでいて、実はもの凄くつまらない事なんだって、そろそろ気づいても良い頃なのに、都会の人達はちっとも気づかないんですね。
ヨーロッパの人達は暑い夏には働かきません。ラテン系の人達は、お昼ご飯を食べたらシエスタ(お昼寝)をします。北欧の人達は冬が厳しいから、家の中の環境を大事にします。そういうのが人間らしい生き方のはずですよね。
90歳を越えてホスピスに入院している年寄りが、毎日死にたくないと文字通りわめいているという話を医師から聞いて憮然とした。その人はおそらく思い切って生きてこなかったのであろう。~中略~ 90歳までなんとなく生きそびれてしまったから、死にたくないのとわめくのであろう。それなら気の毒としかいいようがない。死に方をあれこれ考えるなら、その前に十分に生きておくことである。
好きなことをするために働くものだと、ずっとわたしは思っていました。ところが、働くために好きなことを我慢するという考えの人が、世の中には何と多いのか!それでいいのですか?
いつ死んでも悔いが残らないように生きないとね!
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確かにあぶないところへ行ってはいけないというのはわかります。
わかりますが、しかし・・・危ないところで危ない経験をしないと危ないということがどういうことかわからないで、暮らしてしまうのです。
そして危ないところがわからないと、大人になったときに危ないところにいってしまって、痛い目にあうことになります。
適度に危ないことを経験することが大事だと私はおもっています。
ややこしいでしょうか?
投稿: ゆみりんこ | 2006年6月 7日 (水) 00:06
ゆみりんこさん☆そのとおり!
危ないこと、痛いこと、キツイこと、そういうことって経験してみないと分からないものですよね。
そういう体験をしないで大人になってしまうのは、それこそ危ないことですね!
投稿: Roko | 2006年6月 7日 (水) 00:30