『魔王』 伊坂幸太郎
魔王と呼吸という2つの物語で構成されている。魔王は兄の物語、呼吸は弟の物語。
犬飼が街頭演説をしているシーンを読んだとき、わたしの頭の中に浮かんだのは「デッド・ゾーン」。スティーヴン・キング原作、デビット・クローネンバーグ監督の映画です。
周りの人達は演説している犬飼の話に聞き入っているのだけど、自分だけは彼に違和感を感じてしまって。犬飼はきっと独裁者になると感じるんです。そして、それを阻止しなければという思いが深くなっていくってところがけっこう怖かったなぁ。
この物語に登場する犬飼のような人物が本当に登場したら、日本はどうなっていくのだろう?本当に国のことを考えている政治家というのは、日本には存在しないのか?複雑な気持ちが心をよぎります。
伊坂さんの文章だから、さらっと読めてしまうのだけど、テーマは重いなぁと思います。
こういうことをみんな真面目に考えてる?と聞いてみたくなりました。
歌曲「魔王」ってゲーテの詩でしたよね。「おとうさん、魔王がやってくるよ」と分かったのは子供だけだったけど、今の世界でも、魔王の足音を聞くことができるのは、ごく一部の人だけなのかもしれないということなんでしょうか?
ところで、千葉さんが登場しましたね。ウーン、そこにか!ってビックリしちゃいました。
トラックバック先
Chiekoa Library
本を読む女。改訂版
本のある生活
AOCHAN-Blog
本を読んだら by ゆうき
粋な提案
マロンカフェ
« 『喫茶店(カフェ)百科大図鑑』 東京喫茶店研究所 | トップページ | '05/'06 NBA Final 第一戦 »
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『地獄へ行こか青江へ行こうか』 青江忠一 25-17-3413(2025.01.20)
- 『ヒストリエ11』 岩明均 25-9-3405(2025.01.11)
- 『世界は経営でできている』 岩尾俊兵 25-6-3402(2025.01.07)
- 『崑ちゃん・鎌田式老化のスピードを緩める最強の習慣!』 鎌田實×大村崑 25-4-3400(2025.01.05)
- 『新書へのとびら 第1部 現代新書はいかにして現代新書になったのか』 魚住昭 24-347-3373(2024.12.07)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 『魔王』 伊坂幸太郎:
» ● 魔王 伊坂幸太郎 [本を読んだら・・・by ゆうき]
魔王伊坂 幸太郎 講談社 2005-10-20by G-Tools
ネタバレあり!
超能力兄弟が、ファシストと戦う!
じゃないな。
超能力兄弟が、ファシストと戦おうとする・・・。
ですね。あらすじとしてはそういう物語です。
あとがきで“ファシズム”や“政治”がテーマではない、と著者が書いているのですが、本当にその通りの本です。作中に、憲法改正・日米問題・歴史問題などが登場するだけで、それに対する伊坂さんなりの主張や、なんらかの答えが用意されているわけではありません。
しい... [続きを読む]
» 魔王 (エソラ vol.1) [伊坂幸太郎] [+ ChiekoaLibrary +]
小説現代特別編集 エソラ [esora] Vol.1 2004.12伊坂 幸太郎 吉田 修一 真鍋 昌平 他講談社 2004-12-03
収録されている伊坂さんの「魔王」目当てに読みました。
よかった!すごくよかったです。やっぱり伊坂さん好きだぁ!と愛の告白みたいなことを思ってしまいました。私の中での伊坂さんベストランキングを考え直さねば…。衝撃でした。ほんとに、すごくよかったんです。
テーマはとても重いです。正直、伊坂さんがこういうものを書くとは思ってもみなかったので、驚きま... [続きを読む]
« 『喫茶店(カフェ)百科大図鑑』 東京喫茶店研究所 | トップページ | '05/'06 NBA Final 第一戦 »
Roko さん、こんにちは。
本日も「砂漠」「パズル」「容疑者X」「いつかパラソル」をトラバさせていただきました。
「魔王」は本日の記事欄を見て、とっさに続けてトラバさせていただいたのですが、これだけが届くのって???。
ユーザーサポートの解答、届きましたら教えてください。
投稿: 藍色 | 2006年6月10日 (土) 18:08
藍色さん☆トラバ&コメントありがとうございます。
せっかくトラバして頂いているのに、届いていないんです。(^_^;
なんでだろう?
理由が分かったらお知らせしますね。m(__)m
投稿: Roko | 2006年6月10日 (土) 23:23
Rokoさん、こんにちわ。
これはガツンとやられました。
さらっと書いているし、腹話術なんて使って
軽やかにしちゃってますが、テーマは重いですよね。
考えさせられました。
投稿: june | 2006年6月11日 (日) 11:40
juneさん☆ガツンですよ!
こうやって時々「考えろ!」って言われないと危機感を持てない自分に、反省しきりです。(^^ゞ
投稿: Roko | 2006年6月11日 (日) 12:46
あぁ、ここにも「千葉」さん登場を喜んでいる方が!
うらやましいです~。
先にこっち読んじゃったから、スルーしちゃいました。
単行本はゲットしているので、再読したいと思います。
でもなんかこれを再読するのって、ちょっと勇気がいる…。
いやな自分と向かい合わなきゃいけない、みたいな気がします。
投稿: chiekoa | 2006年6月12日 (月) 17:01
chiekoaさん☆コメント&トラバありがとうございます。
実はわたし、エソラ1号で魔王だけは読んでいて、その時は千葉さんに気が付かなかったんです。(^_^;
だから2回目で千葉さんを発見したって訳です。
2回目は、確かにチトきつかったです。(^^ゞ
投稿: Roko | 2006年6月12日 (月) 21:36
Rokoさん、こんにちは♪
某死神さん出てましたねぇ~(笑)
伊坂さんがこの某死神さんをお気に入りなのかな?って、小説の本題とは違うことを思ってみたりで。
考えないで流されることの怖さ、考えすぎてしまうことの怖さの二つをかんじた作品です。
投稿: りーふい | 2006年9月18日 (月) 11:23
りーふいさん☆いらっしゃいませ
死神さんがあそこで出てくるとはねぇ!
流されてしまっているということに気づかずにいるって実に怖いです!
そんなことを考えさせられる内容でしたね。
投稿: Roko | 2006年9月18日 (月) 19:15