『ニート』 絲山秋子
ニート
引きこもりがちなニート生活をしている読元クンと、それを気に掛けている主人公の話なのですが、しょうがない奴なんだけど何だか気になってしょうがないって気持はよく分かるなぁ。
ベルエポック
実家に帰るという友達の引っ越しを手伝うことになった主人公。これからは会えなくなってしまうなぁと、ちょっと寂しい気持になってしまいます。
2+1
読元クンが再び登場。主人公とルームシェアをしている同居人との関係の方がよっぽど問題な気がするんだけどなぁ。
へたれ
彼女に会いに行くために新幹線に乗った主人公。何故かよそ見ばかりしてしまう「へたれ」さが、彼の魅力なのかなぁ?
愛なんかいらねー
自分がイメージしている自分を壊しに来る人のことを、イヤな奴だと思いつつも惹かれてしまうのって不思議です。
ニート(NEET)とは、Not in Educatin, Employment or Training の略です。身体は健康であるのに、働かず、教育を受けているのでもなく、職業訓練をしているのでもなく、経済的には親に依存している人のことです。
20~30代にニートが増えているってことが問題になってますけど、それって本人だけの問題じゃないですよね。小さな頃から何でも親が方向性を決めてしまって、勉強だけしていればいいと育ててしまったことや、夢を持てないような学校や社会が変わっていかなければ、これからもニートは増え続けるだろうなって思います。
ニートって独身の若者だけと思われがちですけど、実際には中年もいれば、主婦だけど実体はニートな人だってたくさんいます。家事はお手伝いさん任せの奥様、お嬢様、外国へ留学しているということになっているお坊ちゃま。お金持ちだったらニートとはいわれないんですよね。
だからね、ニート生活をしている人は、もっと気楽に考えればいいと思うんですよ。「なぁんだ、親が金持ちかどうかってのが違うだけで、パリス・ヒルトンと自分はちっとも変わらないじゃないか。」ってね!
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ニート絲山 秋子 角川書店 2005-10-29
「ニート」「ベル・エポック」「2+1」「へたれ」「愛なんかいらねー」の五編が収録されています。
これは…なんだかすごいです。読んでいる間、あまりにすごくて呆然としちゃうくらいでした…私は今いったい何を読んでいるのかしら?って。
同じことを例えば他の作家さんが書いたら、絶対こういうふうに心に突き刺さってこない。それだけは確実に言えると思いました。何がすごいって説明できないんですけど、すごいです。なんていうか、ここに書いてあることは本当だ... [続きを読む]
» 絲山秋子の「ニート」を読む! [とんとん・にっき]
「ニート」は、NEET(Not in Employment, Education or Training)、直訳すると「就業、就学、職業訓練のいずれもしていない人」である。英国におけるNEETは、「16~18歳の、教育機関に所属せず、雇用されておらず、職業訓練に参加していない者」と定義されている。日本に... [続きを読む]
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