『スモールトーク』 絲山秋子
絲山さんがクルマ好きだということは、これまでに読んだ本の中でしばしば感じていたのですが、ここまで好きとはビックリです。自動車雑誌 Navi に連載するだけのことはありますねぇ。
それにしても絲山さんが描く女性は「男前」ですねぇ。男との関係も、車との関係も、ちっともベタベタしてない。相手に媚びるなんて事はちっとも考えてないからでしょうねぇ。
よく、美しい車は女性にたとえられます。車好きの男にとって車は恋人の女性と同じ、あるいはそれ以上の愛情を注ぐものです。女性にとっての車はどうなんでしょうか?
絲山さんにとっての車って「恋人」とは違うなぁ、「友達」あるいは「相棒」なんじゃないかなぁ?イタリアの友達には「あなたってハデで色っぽいねぇ」、イギリスの友達には「君ってやっぱりダンディだよね」って、運転をしながら語り合っているような、そんな空気を感じました。
この本は、クルマ好きだったら是非読んで下さい。クルマに疎かったら、ちょっと辛いかもしれない。そんな本でした。
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スモールトーク
絲山 秋子
車の雑誌「NAVI」に連載されていた連続短編集。40代、最近彼と別れたばかりの売れない画家のユーコ。ある日、カマキリのような風貌の元彼が電話をしてきた。会うつもりはなかったが乗っている車に見たさに会ってしまう。
売れない画家って設定、なんだか知ってるかも…なんて思いながら読んでました。最後に亡くなった友達の話が出てきて「イッツ・オンリー・トーク」の優子なんだって思いました。誰とでも寝てしまうゆうこちゃん40歳になっても売れない作家でした。
ゆう... [続きを読む]
確かに男前な女の人でしたね。
そして毎回書かれている絲山さんが今まで乗ってきた車の話。
新しい営業車を自分使用に作り上げていくって話が忘れられません。
投稿: なな | 2006年10月27日 (金) 23:29
ななさん☆おはようございます。
>新しい営業車を自分使用に作り上げていく・・・
会社の机周りをカスタマイズしていく人は沢山いますけど、営業車をねぇ。
絲山さんのクルマ好きなところが満載の本でしたね。
投稿: Roko | 2006年10月28日 (土) 09:47