『厭世フレーバー』 三羽省吾
イレギュラー が余りにも面白かったのでこの作品を読んでみたのですが、これまた面白かったぁ!(#^.^#)
陸上部でいい線いってたのに、辞めたいと言い出した次男。夜の町でバイトを続ける長女、仕事が見つからないけれどそれを家族に言えない長男。夫が失踪してしまって、どうしていいのか分からない母親。どうもボケちゃったらしい祖父。
それぞれの言い分が語られるのですが、同じ事に対するそれぞれの感じ方の違いが面白いですねぇ。本人がどう考えて行動しているのかってことと、それを見ている人の感じ方ってまるで違うんですね。ただ一つ意見が一致しているのは、母親が主婦業を投げ出しちゃってるよねっていうこと。それ以外はバラバラ!
わたしが一番気に入ったのは最後のおじいさんのところです。若い頃にあんなことがあったなんて、家族の誰も知らないんだろうなぁ。誰にも話したことがないのかなぁ?話してもしょうがないと思っているのかなぁ?わたしは聞いてみたいと思うんだけど。
同じ家に住んでいるだけでは家族って成立しないんですねぇ!自分がどんなことを考えているのか表現しなければいけないし、それ以上に相手がどう考えているのかを理解しようとしなければいけないし。
相手のことに興味がないっていうことも問題だけど、相手のことを知ってるよとタカをくくっているのが一番まずいような気がします。どんなことでもいいから共感できることを持てればいいんだけど、それを見つけること自体が難しいのかなぁ?
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» 厭世フレーバー 三羽 省吾 [モンガの独り言 読書日記通信]
厭世フレーバー
三羽 省吾
174 ★★★☆☆
【厭世フレーバー】 三羽省吾 著 文藝春秋
《家族って、何でしょうか。つながり…》
出版社 / 著者からの内容紹介より
新しい時代の家族を描く新鋭登場
突然、父親が失踪。没頭していた陸上をやめ、14歳のケイは新聞を配り始めるが──。家族という不可思議な関係を描くポップな一冊
帯文
リストラされた父親が姿を消した。
14歳 ケイ → 陸上部をやめて新聞配達
17歳 カナ → いい子をやめて深夜までバイ... [続きを読む]
» 「厭世フレーバー」三羽省吾 [ナナメモ]
厭世フレーバー三羽 省吾リストラされた父親が失踪した。残された家族5人の物語。
この本も本が好きな方のブログにたくさん登場していて、なんとなく面白そうなにおいが漂って来ました。うん。面白い。恥ずかしながら漢字が苦手な私は「厭世」が「えんせい」と読むとは知らなくて、意味まで調べてしまいました。
章のタイトルが「14歳」「17歳」「27歳」「42歳」「73歳」最初の「14歳」進路相談で高校進学もやめ、陸上部も退部すると言う中学2年のケイ。ケイの人生を73歳まで追っていくのかとちょっと心配しま... [続きを読む]
» 厭世フレーバー/三羽省吾 [ひまさえあれば]
いやいや想像以上の面白さでした!三羽省吾さん…いいっすね。目次を見て「14歳男子の成長物語的作品なんだわきっと」なんて思い「息子にピッタリ♪」といそいそ借りてきたのですが見事に違いました(いやでも…違うとも言い難い)。これは意外に大人テイスト。突然いなくなった父親。残された家族、14歳ケイ・17歳カナ・27歳リュウ・42歳母・72歳爺さん…のそれぞれの厭世的状況が順番に綴られるんですが(実は厭世って言葉の意味が曖昧で調べました。お恥ずかしい)エピソードが重なっていくたびにまたひとつこの一家の謎が解け... [続きを読む]
» ◎◎「厭世フレーバー」 三羽省吾 文藝春秋 1680円 2005/8 [「本のことども」by聖月]
期せずして傑作を読んでしまった。本書『厭世フレーバー』は、ユーモア風味溢れる家族小説の傑作である。
デビュー作であり第8回小説新潮長篇新人賞を受賞した◎『太陽がイッパイいっぱい』も、オカシミ&ユーモア溢れる青春小説として中々楽しかったのだが、いかんせん青春のフレーバー(風味)を表現せんがためのベタな描写が目立ち、そういう欠点をオブラートに包むというような著者の力量がまだ足りなかったのが、評価◎止まりという結果であった。
本書を読み始めての数ページでは、前作に引き続き、そういうタイプ... [続きを読む]
» 作家/三羽省吾/厭世フレーバー [Another 書評Wiki (PukiWiki/TrackBack 0.3)]
厭世フレーバー 紹介者一覧 ついてる日記Ⅱ [続きを読む]
» 「厭世フレーバー」(三羽省吾著) [たりぃの読書三昧な日々]
今回は 「厭世フレーバー」 三羽 省吾著 です。 [続きを読む]
» 三羽省吾『厭世フレーバー』 [どこまで行ったらお茶の時間]
厭世フレーバー三羽 省吾 文藝春秋 2005-08-03売り上げランキング : 44,392Amazonで詳しく見る by G-Tools
突然、父親が失踪。没頭していた陸上をやめ、14歳のケイは新聞を配り始めるが──。家族という不可思議な関係を描くポップな一冊
聖月さんに教えていただいた作家と作品。
いんやー。すんごく面白かった(はぁと)。
リストラされて退職した父親の突然の失踪。取り残された家族は5人。
没頭していた陸上を止めて、新聞配達を始めた次男「十四歳」、
優等生だった... [続きを読む]
» 厭世フレーバー 〔三羽省吾〕 [まったり読書日記]
厭世フレーバー
≪内容≫
俺がかわりに殺してやろうか。
父親が失踪。
全力疾走のはてに少年は血の味を知った
―家族の崩壊と再生をポップに描いた快作誕生。
(BOOKデータベースより)... [続きを読む]
» 「厭世フレーバー」三羽省吾 [宙の本棚]
えんせい 【厭世】 世の中をうとましく思うこと。生きていることがつらいと思うこと。
フレーバー 【flavor】 風味。香り。おもむき。
須藤家家族構成…ケイ(圭一:次男)14歳。カナ(長女)17歳。リュウ(隆一:長男)27歳、薫(母)42歳、新造(祖父)73歳。宗之(....... [続きを読む]
Rokoさん、コンニチハ。
コメントいただきまして、ありがとうございます!
新造さんを選ぶあたりが渋いですねぇ。
わたしはまだまだ、大人になりきれていないのかもしれないです。
イレギュラー、未読なので読んでみたいと思います。
投稿: ましろ | 2006年10月 9日 (月) 16:53
こんばんは。Rokoさん。
TB・コメントありがとうございました。
家族って、やっぱり繋がっているんだなー。
私もおじいさんのところが良かったです。
投稿: モンガ | 2006年10月 9日 (月) 19:14
Rokoさん、こんばんは。
私は父親がかわいがっていた猫が帰ってきたように、父親がひょっこり帰ってきたら面白いのになぁって思ってました。
投稿: なな | 2006年10月 9日 (月) 21:17
Rokoさん、こんばんわ。
これを読んで、家族として同じ家に住んでいても、
自分の見たいようにしか家族を見てないのかも・・と
不安になってきました。
「イレギュラー」は、そんなに面白いのですか・・。
どうにかして手にいれなければ!
投稿: june | 2006年10月 9日 (月) 23:00
ましろさん、juneさん☆
イレギュラー読んでくださーい!
モンガさん☆
新造さんって、実はボケてないのかもって思いませんか?
ななさん☆
お父さんに帰ってきて欲しいですよね。お父さん中心の続編出ないかなぁ?
投稿: Roko | 2006年10月 9日 (月) 23:37
Rokoさん、こんにちは。
家族それぞれのパートから、
不在のはずの父親の姿がくっきりと浮かび上がってくる様子が
すんごく面白かったです。
父親の言い分も、ぜひ作品として読んでみたいですねー。
文庫落ち記念の特別おまけに、期待したいです。
私も『イレギュラー』が未読です。
そんなに面白いんですか!読むのがすっごく楽しみです。
投稿: 七生子 | 2006年10月12日 (木) 12:03
七生子さん☆トラバ&コメントありがとうございます。
いないはずのお父さんが一番目だっていましたね。
「イレギュラー」是非とも読んで下さいね!
そして、感想を教えてくださいね。
投稿: Roko | 2006年10月12日 (木) 22:50
Rokoさん、こんばんは!
家族それぞれの内面が描かれるって形が面白かったですね。
ぼけてるおじいちゃんのパートはどうなるんだ?と心配してましたが、杞憂でした(笑)
それどころか、一番面白かった!
実はぼけてないのかなぁ~とは私もちょっと思いました♪
投稿: エビノート | 2006年12月 1日 (金) 20:46
エビノートさん☆こんばんは
ねっ!おじいちゃんはボケてませんよ~!
家族って、お互いに気にしていないような振りをしてるけど、実は結構考えてるんですね。
とっても面白かったですね!
投稿: Roko | 2006年12月 2日 (土) 00:23
お爺ちゃん、自分で言い出しながら、駅伝の応援のこと忘れているのがナイスでした。
奔放な宗之を大切に育ててきたお爺ちゃんと、今は亡きおばあちゃん、すごいなって思います。
投稿: 小葉 | 2007年1月28日 (日) 10:13
小葉さん☆おはようございます。
お爺ちゃんたら、ボケてるんだかボケたふりをしてるんだか?分からないけどステキな人でしたね。
投稿: Roko | 2007年1月28日 (日) 10:34