『ボトルネック』 米澤穂信
東尋坊の崖から落ちたと思っていたら、何故か町の中にいて。自分の家に帰ってみると、そこは自分の家ではなくて。どうやら別の世界に紛れ込んでしまったらしいんです。
ある世界と並行して存在する別の世界。同じように見えても、違う世界。 それがパラレル・ワールドです。
まるっきり知らない世界へ飛び込んでしまうのと、知っているようでいて知らない世界へ迷い込むのとでは、どちらのほうが怖いのでしょう?
知っている人が1人もいないところへ行ったとき、そこには何だかよく分からないワクワク感というのが存在します。何に出会えるのだろう?どんな人がいるのだろう?ってね。モチロン怖さもあるし、誰にも頼れないという不安もあるし、なにより、すべてを自分で決断しなければいけないというプレッシャーもあります。
このストーリーの主人公は何度も「あなたには想像力がない」と言われてしまいます。「想像しないからつまらないのよ。」「想像しないから分からないのよ。」「想像しないから次へ進めないのよ。」
想像力には翼があります。現実の世界からどこまででも飛んでいけます。想像力があれば、より楽しいことを見つけ出せるんです。想像力は鎖を断ち切り、壁を破壊します。想像力があるから、生きていくことは楽しいのです!
想像するのを止めたとき、自分の周りの世界は止まります。本当は止まっている訳じゃないけれど、自分からは止まって見えてしまいます。動かない世界はつまらないのです。つまらないから、益々関わるのが嫌になってくるんです。
いろんなものがうまく回っていくのも、いかないのも、それは自分の想像力の問題なのです。
「求めよ、さらば与えられん!」という言葉を、強く信じたいです!
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ボトルネック
米澤 穂信
257 ★★★★☆
【ボトルネック】 米澤 穂信 著 新潮社
《この若さで書けるのか、やはり傑作?なのか、…》
内容(「BOOK」データベースより)
恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。
懐かしくなんかない。... [続きを読む]
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装画はフジモト・ヒデト。装幀は新潮社装幀室。書き下ろし。
主人公で高校一年生の語り手の僕、嵯峨野リョウは2年前に事故死した恋人、諏訪ノゾミを弔うため東尋坊を訪れます。強い眩暈に襲われ崖下へ落ちてしまったはずが、... [続きを読む]
» ボトルネック [米澤穂信] [+ ChiekoaLibrary +]
ボトルネック米澤 穂信 新潮社 2006-08-30
恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻った彼を出迎えたのは…。
ななな、なんですか、この本は。読み終わってどうしたらいいんですか。何を読み取ればよかったんですか。なんでわざわざ本を読んでこんな思いをしなきゃいけないんですか。「懐かしくなんかない。爽やかでもない。若さとは、かくも冷徹に痛ましい。ただ美しく清々し... [続きを読む]
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ボトルネック
米澤さんの青春小説しかもパラレルワールドものということで、パラレルワールドからどうやって元の世界に戻るのか?日常レベルを越えた謎解きがあるのかな・・なんて考えながら、かなり期待をして読みはじめたのです。で、読み終えて呆然としました。後味が....... [続きを読む]
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ボトルネック
≪内容≫
懐かしくなんかない。爽やかでもない。
若さとは、かくも冷徹に痛ましい。
ただ美しく清々しい青春など、どこにもありはしない――。
青春ミステリの旗手、最新書き下ろし長編
(出版社/著者からの内容紹介より)... [続きを読む]
» 「ボトルネック」米澤穂信 [ナナメモ]
ボトルネック
高校1年生のリョウ。2年前に亡くなったノゾミを弔う為に東尋坊を訪れていた。そこへ届いた兄の訃報。帰ろうと思った途端めまいに襲われ、ノゾミと同じように崖を落ちた。目を覚ましてみたら、近所の川原のベンチに横になっていたリョウ。自宅に帰ってみると鍵が合わず、見知らぬ女の子がポッキーをくわえ家から出てきた。
リョウが小さい頃からお互いに不倫をしている両親。大学受験に失敗し、バイク事故にあって植物人間になっている兄。その兄が亡くなり、体裁を整えれる為だけに家に帰るように言われる。... [続きを読む]
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タイトル:ボトルネック
著者 :米澤穂信
出版社 :新潮社
読書期間:2006/11/02 - 2006/11/03
お勧め度:★★
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恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。
2年前に死んだ同級生・諏訪ノゾミを... [続きを読む]
» 『ボトルネック』 米澤 穂信 新潮社 [みかんのReading Diary♪]
ボトルネック恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。 ファンタジックミステリーというのでしょうか…もし姉が無事生まれ、僕が生まれてない世界。そこでは自分の周りの人はどうなってたんだろう、そもそも僕の生きた道は良かったのだろうか、それとも僕が仮の世界の住人で…。夢の世界に引き込まれた... [続きを読む]
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Rokoさん、こんばんは。
結末に衝撃を受けてしまうこの作品に、
サキの言動から、物語を読み解こうとするアプローチ。新鮮でした。
確かに何度もリョウにこの言葉、投げかけられていた気がします。
“想像力”がキーワードだったのかもしれませんね。
投稿: 藍色 | 2006年12月 1日 (金) 00:55
想像力…私はありすぎて「楽しくない」方向に進むタチです。マイナス思考なのでしょう…しくしく。何事もほどほどに?!しかしこの物語は…この先を希望にあふれたものに想像するのがむずかしくてへこみました。でも…あきらめてほしくないですね。
投稿: chiekoa | 2006年12月 1日 (金) 15:56
リョウが想像力で鎖を断ち切り、壁を破壊することができるように、祈りたくなる作品ですね。
戻ったリョウが少しでも前向きに自分の人生を創造してくれますようにと、思います。
投稿: エビノート | 2006年12月 1日 (金) 21:03
Rokoさん、こんばんは。
Rokoさんの前向きなレビュー
読んでいて元気が出ました。
そう、何事も「想像力」豊かに前向きに行かないといけないですよね。
投稿: なな | 2006年12月 1日 (金) 21:47
藍色さん☆
サキに何度も言われた「想像力」をリョウがどれだけ発揮できるかが問題ですよね。
リョウ、がんばれ!
chiekoaさん☆
悪い方向への想像力って、考え始めると止まらなくなっちゃうんですよね。
でも、どうせ想像するなら楽しい方にしましょうね。(*^_^*)
エビノートさん☆
元の世界へ戻ったリョウに期待したいですよね!
ななさん☆
元気出ましたか?どうせなら前向きにいきましょう!その方が絶対に楽しいもの!
投稿: Roko | 2006年12月 2日 (土) 00:01
なるほどねぇ。「想像力」をポイントに読む Roko さんの感想にはとても説得力があります。
広瀬正さんの小説を思わせる展開で、そういう面でも興味深かった。
ぼくが読んだ米澤穂信さんの作品の中では、一番おもしろく感じました。
投稿: ディック | 2010年2月23日 (火) 21:06
ディックさん☆こんばんは
この作品を読んで凹んだという感想を書いている方が多いのだけど、わたしにはこんな風に感じたんです。
リョウが想像力の翼に乗れることを祈っています。
投稿: Roko(ディックさんへ) | 2010年2月23日 (火) 22:31