映画 「ピンク・フロイド アンド シド・バレット ストーリー」
この作品は2001年にBBCで製作されたものです。
シド・バレットは、ピンクフロイドの初代リーダーだった人です。でも彼は1968年にピンクフロイドを去ったのです。
1960年代後半から1970年代にドラッグは一般に広まるようになり、それで身体を壊したり、亡くなったミュージシャンは数知れません。ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリックス、ジム・モリソン達は20代で亡くなりました。ブライアン・ウィルソンやエリック・クラプトンも、かなりひどいヤク中でした。
当時は薬物がどれだけ怖いものかが分からない時代だったということもあるけれど、ドラッグがサイケデリックなアートを生み出したともいえることもあって、ドラッグに手を出すのにさほど罪悪感がなかった時代なのかもしれません。
シドはヤク中になってピンクフロイドを辞めたということになっていますけど、その後の彼がどうなったかということは殆ど知られていません。彼はケンブリッジにある家で一人暮らしを続けていたのだそうです。そして今年、糖尿病の合併症で亡くなりました。享年60歳でした。
シドがピンクフロイドから去っても、彼の存在は大きかったのです。
「Wish you're here(炎)」はアルバム全体がシドに対するオマージュです。その中でも、「Shine on your cragy diamond」 は美しくて悲しい曲です。
映画「ウォール」の主人公はシドなのだということが、この映像の中で語られていました。あの痛々しい姿がシドだったとは!(この主人公を演じているのは、あのボブ・ゲルドフです。)
そばにいて欲しいのに遠くへ行ってしまった彼、シドに対する思いがピンクフロイドの作品に大きな影響を与えていたんですね。あの美しい音楽の裏にこんな物語があったのかと思うと、何だか悲しいですね。
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