『スポーツを「視る」技術』 二宮清純
スポーツといえば根性論しか語れない人がまだ多いけど、実際には必ず戦略があって試合は行われている。自分の構想通りの試合をするために練習を積み重ねる。練習の基本は自分自身をいかに知るかということから始まる。自分の弱点と長所を自覚し、それをどう扱っていくのかを考えて日々の練習メニューを組む。
スポーツは身体を使うものだけど、頭もそれ以上に使わなければならない。何の為にこの動きをするのか、どうしてこれをやらなければいけないのか、命令されたからやるのと、理由を理解して行うのとでは、まるで意味が違ってくる。やらされる練習は辛いだけだけれど、理解して行う練習はやりがいがある。
だからスポーツマンは馬鹿ではできない。けれども最後の頑張りというところになると、馬鹿にならななければできないこともある。この矛盾をクリアするには、理性と情動のバランスが難しい。
実際にスポーツをするかしないかは別として、TVでスポーツ観戦をするのが趣味という人はかなり多いだろう。わたしもその1人だ。
子供の頃、夕食の時間帯になると、父と一緒に野球を毎日見ていた。ONが活躍していたあの頃、近所の子供達はみんなジャイアンツ・ファンだった。銭湯のゲタ箱の1番と3番はいつも男の子が取り合っていた。相撲も柏鵬時代で、大鵬ファンの女性が増えていた。
プロレス人気も凄かった!力道山から始まったプロレス・ブームはTVの普及にかなり貢献したらしい。やがてデストロイヤーはお笑いにも進出し、アントニオ猪木とモハメッド・アリの対決は、現在の格闘技ブームの原点だったような気がする。
最近のわたしにとって、地上波でのスポーツ観戦は余り魅力がないものになってしまった。それは競技に面白みがなくなったということではなく、地上波に流れるスポーツ番組が余りにもミーハーになってしまったからだと思う。わたしはスポーツ競技を見たいと思っているのであって、アイドルのつまらないコメントなんか聞きたくないんだ!
最近はケーブルTVで NBA や NFL を良く観るのだが、彼らのプロ根性は実に気持ちがいい!お金を稼げる技術というのは凄い!鍛えぬいたアスリートの身体は美しい!そしてインタビューに答える彼らの饒舌さも素晴らしい!
最近地上波TVで観るスポーツといえば、高校野球と箱根駅伝くらいかなぁ。一発勝負の真剣さ、一途さはやっぱり魅力的だ!
自分がするスポーツは楽しい!そして、観るスポーツも楽しい!
« NHKスペシャル サイボーグ技術が人類を変える | トップページ | 『暗いところで待ち合わせ』 乙一 »
「スポーツ」カテゴリの記事
- 『Another REAL 車椅子バスケ日本代表はいかにして強くなったのか?』 チームリアル 286(2022.10.20)
- 『知れば知るほどお相撲ことば』 おすもうさん編集部(2022.07.21)
- 『パラリンピックは世界をかえる ルートヴィヒ・グットマンの物語』 ローリー・アレクサンダー(2022.04.29)
- 『再起は何度でもできる』 中山雅史(2021.10.13)
- 『リアル 15』 井上雅彦(2021.08.30)
「新書」カテゴリの記事
- 『安いニッポン 「価格」が示す停滞』 中藤玲(2022.06.01)
- 『2030年の東京』 河合雅司 牧野知弘(2022.04.23)
- 『「婚活」がなくなる日』 苫米地英人(2021.12.21)
- 『パンデミックの文明論』 ヤマザキマリ 中野信子(2021.11.15)
- 『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』 鴻上尚史 佐藤直樹(2021.10.31)
「日本の作家 な行」カテゴリの記事
- 『なぜあの人は会話がつづくのか』 中谷彰宏 21(2023.01.22)
- 『「一人で生きる」が当たり前になる社会』 荒川和久、中野信子 14(2023.01.15)
- 『滅びの前のシャングリラ』 凪良ゆう 20(2023.01.21)
- 『眠れなくなるほど面白い哲学の話』 中谷彰宏 5(2023.01.06)
- 『日本が先進国から脱落する日 ”円安という麻薬” が日本を貧しくした‼』 野口悠紀雄 9(2023.01.10)
コメント