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『太陽がイッパイいっぱい』 三羽省吾

太陽がイッパイいっぱい
三羽 省吾
新潮社

 「マルショウ解体」で働くイズミくんは一応大学生なんだけど、今は学校へは全然行っていない。とはいっても、学校が嫌いと言うよりは肉体労働に生き甲斐を見出してしまったという感じなんだ。キツイ仕事だけど仲間はイイヤツらばっかりだし、昼に行く定食屋には可愛い子がいるし、結構充実した毎日を送っている。

 解体屋の仲間達でチームを作って草野球の試合をするんだけど、いつも負けてばかり。だけど親方をはじめ全員が野球好きだから、相手さえいれば毎週末でも野球をやっている。

 三羽さんが描く世界には、不器用で、一本気で、知力より体力で、一緒に頑張ってくれる仲間がいて、なんだか自分もその仲間に入りたいような、そんな気持になってしまうんです。

 一緒に働いているカンはバカでスケベだけど男気があってイイヤツだったなぁ!筋が通らないことは嫌なんだって、ハッキリ態度で示せるんだもんね。そこまでやっちゃやり過ぎだよ~!ってくらい、突っ走って行ってしまうところが彼の魅力なんだなぁ。

 イレギュラー、厭世フレーバー、太陽がイッパイいっぱい と、時代を遡って読んできたのですが、デビュー作であるこの作品で既にこの出来なんだから凄いなぁと思っちゃいました!とにかく面白い!

 何かに一生懸命になれる時、人間は生きているんだと実感できるんだろうなぁ。楽してテキトーに生きていこうなんて思っているより、汗かいて必死に働いている方が、ずっとずっと人間らしい生き方なんだよね。ちゃんと働くということがいかに大事かなんて事を考えさせられてしまいました。

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日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事

コメント

この本がデビュー作なんですよね~
そうは思えないほどの面白さがありました。
デビュー作にはその作家の原点があるんでしょうか?
野球が出てきたので、三羽さんはやっぱり野球が好きなのね~と思って、なんだか嬉しくなっちゃいました。
不器用なんだけど愛すべき登場人物たちばかりで、好感が持てましたね。

エビノートさん☆おはようございます。
>不器用なんだけど愛すべき登場人物たちばかり
そうそう、みんないい奴ばっかりでしたね。(#^.^#)
三羽さんは野球好きなんでしょうねぇ。
野球に対する愛情をとっても感じました。
カンのムチャクチャなパワーが気持ちよかったです!

こんばんは。
コメント&TBありがとうございました。
体調もなおりつつあります。そろそろ、みなさんのブログにお邪魔しますのでよろしくおねがいします。

さてこの作品、ネットで紹介していただいて読んだのですが、予想以上の面白さに、作家の力量を感じました。「マルショウ解体」の個性的な面々にすっかりやられました。
マルショウスパイダースは「イレギュラー」にも出てくるとか。楽しみです。

よしさん☆こんばんは
エッ!イレギュラーにも出てたんですか?
もう一度読み直さなくっちゃ。(^^ゞ
体調をくずしていたんですか?
面白い本を読んで元気になって下さいね。(#^.^#)

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