『夜のジンファンデル』 篠田節子
永久保存、ポケットの中の晩餐、絆、夜のジンファンデル、恨み祓い師、コミュニティ の6篇からなる短編集です。表題作の「夜のジンファンデル」は 恋愛小説 に入っていて、なかなか良かったので、この本を読んでみました。
この本の中で気に入ったのは、この3篇です。
永久保存
汚職がばれて左遷させられた管理職の男性は、それでもエリート意識が消えていない。同じ部署にいるどうにも使えない女性社員に最初はイライラしていたのだが、だんだんと彼女に悪意があるのでは?と思えてきたのです。
恨み祓い師
古い借家に住む年老いた母娘。ここに引っ越して来た20年前にすでにかなりの歳だったのに、2人は時間が止まったように変わらない。もしかしてあの2人は人間ではないのかも?という疑惑が湧いてきた。
コミュニティ
郊外の団地に引っ越して、最初はなかなか近所づきあいがうまく出来なくて不機嫌だった奥さんが、いつの間にかご近所の人たちと仲良くなっている。何故なんだろう?と思いつつ、夫も自分も近所づきあいに参加するようになっていく。
「夜のジンファンデル」 は、ちょっとお洒落な感じでしたけど、それ以外はかなり日常的な雰囲気で、もしかしたら、そんなことがおきるかも知れないという怖さが、良かったです!
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