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『マイノリティーの拳』 林壮一

マイノリティーの拳

林壮一

 ボクシングでチャンピオンになるのは素晴らしいことだけど、それだけでその後も幸せな人生を送れるわけじゃない。ボクシングを止めた後、どん底まで落ちてしまう人もいるし。生活のためにボクシングを止めたくても止められない人もいる。

 ローマ・オリンピックで金メダルを取ったカシアス・クレイは、金メダルを首にぶら下げてレストランへ入った。「俺はアメリカを代表して戦い、金メダルを勝ち取ったんだから、これからは白人が入るようなレストランにだって大手を振って行けるんだ」と彼は思っていた。でも、実際に行ってみたら、門前払いを食らった。「この店は、黒人が入るような店じゃない!」 怒った彼はメダルを川に投げ捨てた。

 ジョージ・フォアマンも、ホセ・トーレスも、マイク・タイソンも、みんな貧しい地域の出身だ。自分の周りを見渡しても、希望のかけらもない。普通に暮らしていれば麻薬の売人か、ギャングになるしかない。そんな生活から抜け出す手段、それがボクシングだった。「ボクシングで成功すれば、こんな生活から抜け出せる。」だから彼らは戦ってきた。

 頑張ってチャンピオンになって、有名になって、お金を沢山稼いで、夢が叶ったと思ったら、悪徳プロモーターにお金をしこたまピンはねされたり。持ちなれない大金をあっという間に使ってしまったり。引退後もお金の心配をせずにいられる人はほとんどいない。

 だけど彼らの栄光にあこがれ、同じ道を歩もうとする若者は沢山いる。チャンピオン達の成功は夢となって、次の世代に受け継がれている。ボクサーに限らず、これからも同じようにアメリカン・ドリームを夢見る若者達は沢山いるだろう。

 その夢を実現できるのはホンの少数だろうけど、夢があるということは素晴らしい。だって、夢も希望もなく生きている若者の方が多いのだから。

この本は 書評サイト「本が好き!」から提供して頂きました。どうもありがとうございました。

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