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『ドリトル先生の英国』 南條竹則

ドリトル先生の英国

南條竹則(なんじょう たけのり)

文春新書

 わたしも小学生の時に、ドリトル先生シリーズを夢中になって読んでましたが、この本の著者の南條さんは、ドリトル先生に出会ったことで人生が変わってしまった方のようです。

 作者のヒュー・ロフティングは、第一次世界大戦で出征し、戦地から子供たちに手紙を沢山書いたのです。その中で生まれたキャラクターがドリトル先生なのです。

 戦争が終わって、一家が船でアメリカへ帰る途中、たまたま船内で親しくなった小説家、セシル・ロバーツがこの物語のことを知り、その面白さに感激して出版社を紹介してくれたことから、ドリトル先生の物語は本として出版されることになったのです。

 

 ドリトル先生は英語で書くと Dolittle つまり「成すこと少なし」という意味を含んでいるらしい。つまり、ドリトル先生は動物たちにとっては偉大なお医者さんだけれど、人間社会の中では「ダメ」という評価を受けてしまう人なのかもしれない。(最初は一緒に暮していた妹のサラさんは、先生に愛想を尽かしてお嫁に行ってしまったくらいだもの。)

 日本では、ジェントルマン=礼儀正しい人 と思われていますけど、実際にはかなり違うんですね。ある程度の土地を持っていて、その土地からの収入があるので、働かなくても生活に困らない人=ジェントルマン なんだそうです。額に汗しなくても暮せるから、おのずとおおらかな人間になるのですね。

 ドリトル先生は文字通りのジェントルマンとして描かれています。心優しい人だけれど、お金には執着が無く、だから人間の医者としてはやっていけなくなってしまいます。

 そんな先生だからこそ、動物たちとの方が心を通い合わせられたのだろうし、読者である子供たちの心をつかんだのだろうと思えてくるのです。やっぱりドリトル先生っていいなぁ!

661冊目

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