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『おまけより割引してほしい』 徳田賢二

おまけより割引してほしい

値ごろ感の経済心理学

徳田賢二

ちくま新書 626

とにかく日本人は「ついでに ~ する」ことが好きである。(本文より抜粋)

 「通勤電車の中で携帯メールをチェックする」「授業中に早弁する」「ラジオを聴きながら仕事する」なんていう具合に、日本人は2つ以上のことを一度にしたがりますよね。それは忙しいからなのか?マメだから?それとも「時間短縮する」という感覚が快感だからなのでしょうか?

 買い物だって同じです。何かを買うために出かけていくのではなくて、仕事のついでに買い物ができて「ラッキー!」と思ったり、夕食の買い物のついでにお菓子を買ったり、雑誌を買いに行ったついでに面白い本を見つけたり、ついでに買っちゃうものってかなり多いですよね。

 ついでに買えたから「オトク」だと思ってしまうのだけど、後から冷静に考えて見れば本当にオトクかどうかは怪しいことってけっこうあります。(^^ゞ

 

 とはいえ時間がない人にとって、あれもこれも一箇所で買えるというのは便利です。必ずしも値段が安くなくても、余計な労力を使わずに買い物ができれば満足度は高くなりますよね。

 

 自動販売機とか、駅のキオスクとかは、すぐに買い物ができて便利なものなんだけど、あれは男性が好むスタイルなんですって!男性は「のどが渇いた、じゃぁ缶コーヒーでも買うか!」という行動に出るけれど、女性の場合は「喉が渇いたから、スタバでお茶しない?」となりやすいのだそうな。

 

 男性は生理的欲求にストレートに反応するけれど、女性はそんなときでも雰囲気を楽しむとか、会話を楽しむということの方に気持ちが働くので、こういう違いが出てくるんですね。だから女性に対するマーケティングは「早い、安い」だけではいけないんですね。

 

 ランチで1000円を越せば普通は高いと感じるのに、それが一流ホテルやレストランだったら「オトク!」と感じちゃいます。デパ地下のお惣菜だって、スタバのコーヒーだって、ブランド物だって、値段は二の次じゃないですか!

 

 物を売っていくのに値段も大事だけど、雰囲気作りがより大事なファクターだって事ですね。逆に言えば、わたしたちは「いかに雰囲気に騙されてるのか」ってことにも気が付かないとね!

 

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