夫の礼が失踪してから十数年、京(けい)は娘の百(もも)と母親の3人で暮らしている。夫が何故いなくなったのかは分からない、生きているのか死んでいるのかすら分からない。
ずっと一緒に生きていこうと思っていた人が突然消えてしまったら、どうなってしまうんだろう?いつの間にやら忘れ去られてしまうのかもしれないし、反対に、いなくなってしまったことによって、そこにいた人の存在がより大きく感じられていくのかもしれないし、それは残された者の心の問題となっていくのかもしれない。
ぽっかりと空いた心の隙間に囁きかけるのは誰なんだろう?
不思議な不思議な物語でした。
678冊目
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» 真鶴 川上 弘美 [モンガの独り言 読書日記通信]
真鶴
川上 弘美
07−23 ★★★★☆
【真鶴】 川上 弘美 著 文藝春秋
《女性というもの、川上さんそのものを見つめたものか》
内容(「MARC」データベースより)
失踪した夫を思いつつ、恋人の青茲と付き合う京は、夫、礼の日記に、「真鶴」という文字を見つける。“ついてくるもの”にひかれて「真鶴」へ向かう京。夫は「真鶴」にいるのか? 『文学界』連載を単行本化。
「女性の生理を描く筆致は濃淡の均衡が取れ、品位に富む点では当代随一。女性読者には魅力的と思われ... [続きを読む]
» 「真鶴」川上弘美 [ナナメモ]
真鶴
川上 弘美
なんだかネットリと濃くて、だけど霧のように掴みどころのない、そんな物語でした。
主人公の京。13年前に夫の礼が突然失踪して、母と娘の百(もも)と一緒に暮らしている。娘との距離。失踪した夫の事。妻と三人の子供がいる彼・青慈との事。時々ついてくる女の事。
遠ざかったり、近づいたり、距離をおいたり、近寄ってみたり。それぞれが京との距離をかえていく。相手との距離に喜んだり、傷ついたり、驚く京。
そして真鶴。失踪した礼が残した日記に書かれていた「真鶴」の文字。あ... [続きを読む]
» 真鶴 川上弘美 [粋な提案]
装丁は大久保明子。装画は高島野十郎「すもも」(画像との違いは文末で補足)。
「文学界」2005年2月号から2006年5月号初出。
主人公で語り手の柳下京(やなぎもとけい)は、母と娘、百(もも)との三人暮らし。夫... [続きを読む]
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とらえどころのない、なんとも不思議な物語でしたね。
読んでいる間中、その雰囲気に飲み込まれていて
暫く現実に戻れない。そんな感じでした。
投稿: なな | 2007年3月 9日 (金) 19:52
こんばんは、Rokoさん。
うーん、何かいいなー川上さんの作品は、いいなーと感じさせてくれた作品でした。
女性3代を登場させている。
ついているもの、やっぱり女性と関係しているのでしょうか。
投稿: モンガ | 2007年3月 9日 (金) 21:38
ななさん☆こんばんは
見えないものに捕われてしまうというところが、川上さんらしさだなぁって思いました。
よく分からないけれど、美しい小説だなって思うんです。
投稿: Roko | 2007年3月10日 (土) 00:11
モンガさん☆こんばんは
"ついているもの"って、けっこうイジワルでしたね。(*^_^*)
幻のようなものであっても、やっぱり女だなぁって思いました。
投稿: Roko | 2007年3月10日 (土) 00:13
Rokoさん、こんにちは。
気持ちは詳しく書かれているのに、漂うあやふや感。
捕らえにくい川上さんの世界、今回も翻弄されました。
つかみ所がなくても、やっぱり惹かれています。
今回もなぜかTB届きませんでした(汗)。
送っていただけるとうれしいです。
投稿: 藍色 | 2007年3月11日 (日) 13:48
藍色さん☆トラバ届いてますよ!
最近スパムが多いのでトラバは認証制にしています。m(_ _)m
川上さんの不思議な世界に捕まっちゃいましたね!
投稿: Roko | 2007年3月11日 (日) 19:16
Rokoさん、こんばんは。
認証制にされたんですね~。
表示されないので、心配してました。
届いててよかったです。
川上さんの不思議な世界、しっかり抱き込まれた感じです(誤解を招きそうな表現!?笑)。
投稿: 藍色 | 2007年3月12日 (月) 00:40