『芸術起業論』 村上隆
村上さんがこの本の中で熱く語っているのは、芸術だって経済活動だっていうことです。「素晴らしい作品さえ作っていればいいんだ!」なんて理屈は通らないんです。どんなに才能がある人だって、「お金がなければ作品を作れない。」「世界に向かって自分の作品を見せる場を作っていかなければ、評価されることはない。」ということです。
だからといって、お金だけあればいいというワケでもなくて、「いかにして売るか」という戦略なしには何も始まらないということ。日本の中でだけのローカルな戦略ではなく、世界を相手にした戦略を狙ったからこそ、大きな評価を得たのだということ。これまでのような独りよがりの理屈では、芸術で生きていくのは無理だ!といういうのです。
お金にダーティーなイメージを持っている人が日本には多過ぎます!お金について語ったり、お金にこだわったりすることを、どうして汚いことと判断してしまうんでしょう?「お金を使って夢を叶える」ということは決して間違ったことではありません。お金が総てではないけれど、お金がなければできないことはたくさんあります。
自分のやりたいことのために、いかにお金を集めるか?、いかにお金を使うか?これはどんなことをするにしても大事な問題です。
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