『山手線誕生 半世紀かけて環状線をつなげた東京の鉄道史』 中村健治
♪丸い緑の山手線♪ なんてCMもありますけど、山手線といえば環状線というイメージが確定してますよね。でも、最初から丸かったワケじゃないんです。
現在の山手線の中で最初に線路が引かれたのが、新橋~品川間です。♪汽笛一声新橋を♪ と日本初の鉄道が引かれたのが新橋~横浜間ですから、この時点では山手線の構想はまだありませんでした。
今でこそ鉄道の駅が近くにあるというのは歓迎されますけれど、一般の人に鉄道が理解される前の時代には、かなり迷惑がられていたようです。蒸気機関車が走ったらうるさいとか、煙で汚れるとか、かなり反対運動があったようです。
たとえば、最初の予定では新宿駅は新宿追分(現在の新宿3丁目あたり)に作りたかったのですが、近隣の反対があって、町のハズレの場所(現在の新宿東口)にシブシブ変更したのだそうです。鉄道の黎明期に地元がどう反応したのかが、その後の町の発展に大きな差を付けてしまったんですね。
山手線のルートはかなり標高差があるというのにもビックリしました。一番低い品川あたりは、ほぼ海抜ゼロメートル。一番高い新宿~新大久保間は標高約41メートル。それなのにトンネルは一ヶ所もなくて、すべて切り通しです!
そんなことを考えながら山手線に乗ると、ちょっと景色が違って見えるかも?でしょ!
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