『山手線誕生 半世紀かけて環状線をつなげた東京の鉄道史』 中村健治
♪丸い緑の山手線♪ なんてCMもありますけど、山手線といえば環状線というイメージが確定してますよね。でも、最初から丸かったワケじゃないんです。
現在の山手線の中で最初に線路が引かれたのが、新橋~品川間です。♪汽笛一声新橋を♪ と日本初の鉄道が引かれたのが新橋~横浜間ですから、この時点では山手線の構想はまだありませんでした。
今でこそ鉄道の駅が近くにあるというのは歓迎されますけれど、一般の人に鉄道が理解される前の時代には、かなり迷惑がられていたようです。蒸気機関車が走ったらうるさいとか、煙で汚れるとか、かなり反対運動があったようです。
たとえば、最初の予定では新宿駅は新宿追分(現在の新宿3丁目あたり)に作りたかったのですが、近隣の反対があって、町のハズレの場所(現在の新宿東口)にシブシブ変更したのだそうです。鉄道の黎明期に地元がどう反応したのかが、その後の町の発展に大きな差を付けてしまったんですね。
山手線のルートはかなり標高差があるというのにもビックリしました。一番低い品川あたりは、ほぼ海抜ゼロメートル。一番高い新宿~新大久保間は標高約41メートル。それなのにトンネルは一ヶ所もなくて、すべて切り通しです!
そんなことを考えながら山手線に乗ると、ちょっと景色が違って見えるかも?でしょ!
700冊目
« 『働く女性のための「心のサプリメント」』 ピースマインド | トップページ | タイヘン! »
「旅・散歩・鉄道」カテゴリの記事
- 『休みをとってでも行きたい問屋街さんぽ』 古谷充子(2021.03.06)
- 『こんなものまで運んだ!日本の鉄道』 和田洋(2021.02.27)
- 『上海フリータクシー』 フランク・ラングフィット(2020.12.18)
- 『東京に暮す 1928~1936』 キャサリン・サンソム(2020.09.17)
- 『大人の東京散歩』 鈴木伸子(2020.09.09)
「伝記・日記・ノンフィクション」カテゴリの記事
- 『84歳の母さんがぼくに教えてくれた大事なこと』 辻仁成(2021.04.13)
- 『走れ!移動図書館』 鎌倉幸子(2021.03.01)
- 『色のない島へ 脳神経科医のミクロネシア探訪記』オリバー・サックス(2021.02.18)
- 『アルジャーノン、チャーリイ、そして私』 ダニエル・キイス(2021.02.15)
- 『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』 辻仁成(2021.02.11)
コメント