『使える読書』 斎藤孝
本を読んで「ア~、面白かった!」と思うのだけど、1ヶ月も経てばあらすじしか分からず、1年経ったらどんな本だったかすら分からなくなってしまっているということが、以前は良くありました。
この症状は、読んだ本の量が多い少ないには関係ないみたいで、印象的だった本の中身は覚えているけれど、そうでないものはあっという間に抜けていってしまうのです。
5年ほど前に「これじゃいけないなぁ」と思い、読書日記を付けるようになりました。始めのうちは、気になったフレーズを書き留めるだけだったのですが、これだけでもかなり頭に残るようになったんです。
そして2年半前にブログへ移行してから、自分の気持ちを書く事が増えてきました。後から読み返してみると、自分が読んだ本が自分自身にどんな影響を与えたのかという記録になっているんですね。自分という人間の思考回路が少し分かってきたような気がします。
「ノリツッコミで読む」「時間がないのに読む」「書くために読む」「出会い頭で読む」
この本の最初にある「取扱説明書」で斎藤さんが力説しているポイントは、どれも大事だなぁと思います。特に「ブログと読書」の項での、「『面白かった、つまらなかった』だけでは、いつか壁にぶつかる」という指摘には、ウムと頷いてしまいました。
その本とはどのように出会ったのか?
その本を読んで何に気付いたのか?
その本を読んだ事によって自分がどう変わったのか?
その本を読んだ後、どんな事と繋がっていくのか?
読書とは出会いであり、アイデアの元であり、自分の発見なのだなと再確認させられました。
この本の中で紹介されている51冊のうち、既読は14冊。今後読んでみたいなぁと思った本が4冊ありました。
最後のシュート(ダーシー・フレイ)
血脈(佐藤愛子)
USAカニバケツ(町山智浩)
新訳 星の王子様(アントワーヌ・サン=テグジュペリ 倉橋由美子訳)
益々「時間がないのに読む」ことになりそうです。(^^ゞ
693冊目
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» 使える読書 取扱説明書が面白い書評の本 [ハムりんの読書 おすすめの本 感想とあらすじ ]
使える読書
感想☆☆☆ 齋藤孝 朝日新聞社
昨年の秋に朝日新聞社が創刊した朝日新書。
新聞社が記事をそのまま本にしたようなものは
あまりいい本がないので、読まないんですが、
齋藤先生は面白いので、手に取ったのですが。
書評の部分よりも、
取扱説明書が面白いという珍書でした。... [続きを読む]
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