『ダーティ・ワーク』 絲山秋子
ストーンズ好きって、何だかワルそうでいいなぁ。おまけにキースのファンだったりしたら、そいつは間違いなくカッコイイはず!!わたしは絶対にそう信じているんです。
この本の最初の物語、worried about you に登場する熊井も、彼女がいつも心の隅で思い続けているTTもストーンズ好き!こんなイントロから始まるんだから、この本は絶対に面白いに決まってる!そう信じて読み始めたら、アッという間に読み終わってしまいました。
絲山さんが描く女って、みんな「男前」なんですよ!女らしいネチネチした感じがなくって、キッパリとした性格の人が多いんです。女友達から「あんたが男だったら結婚してもいいよ!」と言われちゃうような女。そういう人って、間違いなくカッコイイですよ。(そう言われた本人は嬉しくないかもしれないけど)
世間では、「きれいな服を着て町を歩いているおねえさん」のことを女の人と呼ぶらしいけど、そうじゃない女だってたくさんいるんだから!おしゃれでもない、きれい好きでもない、気が利く訳じゃない、若くもない、ましてや美人でもない。だけど女であることに変わりはないんだから!
女であることを武器に生きる女も、女であることを無視して生きる女も、どちらも必死に生きています。男前な女も、ただのオバサンも、綺麗なおねえさんも、人には見せられないものを隠し持っているのです。その秘密を守るためにどんな努力をしているのか、誰も本当のことは言いません。
この本の中で、7つの物語がバラバラのフリをして現れ、ちょっとずつシンクロして物語が進行していきます。みんな何かを隠して生きているけれど、実は隠していると思っているのは本人だけで、結構バレてるんですよ!つまり、そんなこと気にしなくていいってこと!人生を難しくしているのは、結局は自分自身ってことなんですね。
ダーティ・ワークって、
ハーレム・シャッフルが
入ってるアルバムでしたよね。
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装画は長崎訓子。装丁は木村裕治・後藤洋介(木村デザイン事務所)。
「小説すばる」2005年10月号〜翌年10月号隔月掲載の短編集。ネタバレあり。
worried about you:ギタリストの熊井望は自分をもてあます。想い... [続きを読む]
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ダーティ・ワーク
絲山さんはもともと大好きなんですが、これもすごくよかったです。初の連作短編群像劇ということで、作品ごとのリンクも楽しみだったのですが、さすがうまいです。絶妙です。男前な彼女たちと、ちょっと頼りない男の人たちのお話ですが、今回も女の人は....... [続きを読む]
こんにちは。
ごぶさたしてました~。仕事に追われてて…。
ストーンズについてもくわしいんですね~。
洋楽はビートルズの一部しか知らないので、
各サブタイトルの意味が、イマイチつかめなくって残念でした。
熊井が男前って思ってたのが私だけじゃなくて安心しました。
おぉ、バレてるんですね。じゃあ、開けっぴろげでって、それも違いますね(笑)。
トラバさせていただきます。届きますよ…ね。
投稿: 藍色 | 2007年7月 3日 (火) 15:49
藍色さん☆こんばんは
熊井は絶対に男前ですよ~!
トラバ頂きましたぁ!ありがとうございます。m(__)m
投稿: Roko | 2007年7月 4日 (水) 00:12
確かに隠していても、ばればれというか、
にじみ出てしまうものはありますよね。
でも、だからこそ魅力的な気もします。
熊井が秘めていた思いは、熊井が一見男前だからこそいっそう切なく思えました。
投稿: june | 2008年5月27日 (火) 16:05
juneさん☆こんばんは
熊井の一人の人を思い続ける姿は切なかったですね。
色んな思いを胸に秘めて生きているからこそ、いい音楽を作り出せるんだろうなぁ!
投稿: Roko | 2008年5月27日 (火) 21:39