ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 『ピクトさんの本』 内海慶一 | トップページ | 同僚の送別会 »

『フューチャリスト宣言』 梅田望夫 茂木健一郎

フューチャリスト宣言

梅田望夫 茂木健一郎

ちくま新書 656 

インターネットはセレンディピティ(偶然の出会い)のダイナミクスを加速している。紙媒体はゆっくりなのに対して、ウェブははるかに高速です。(本文より)

 インターネット以前の世界では出会うことがなかった人たちと、ネットを介して出会うことの不思議さを良く感じます。毎日顔を付き合わせている会社の人たちよりも、ネット上でコメントを交わしている人との方にシンパシーを感じることの方が遥かに多いのです。たとえ地球の反対側にいたとしても、そんなことは全く気にならないのです。

 距離だけでなく、時間も飛び越すことができます。ネット上に記録されたものは、今日書かれたものでも、10年前に書かれたものでも、同じように並ぶのです。わたし自身はブログを3年ほどやっているのですが、3年前の自分との出会いはとても不思議な気がします。それは確かに自分なのだけれど、今の自分とは違う何かがそこにあるのです。

日本はネガティブな人が本当に多い。

 謙虚さは日本人の美徳だと言うけれど、それってホントかな?「ご意見はありませんか?」と言われても返事がないとき、そこにいる人たちが謙虚だから返事がないのではありません。「こんな所で目立つのはイヤ」「「変なことを言って笑われるのはイヤ」なんて、ネガティブなことを考えている人ってかなり多いです。

 「自分は普通だ、特別ではない」と思いたがっている人の多いこと!そんなに意識しているのは自分だけ。他人は大して自分のことを注目してくれやしないんです。それはもう被害妄想の域ですよ。

イギリスでは、ギャップイヤーというものがあって、どこにも所属せずに放浪するという習慣があるんです。

 日本の生活の中には、こういう無所属の時間というのが欠けています。常にどこかに所属していなければ不安になってしまいます。大会社に勤めてるとか、部長だとか、無職だとか、そういうことで人間の価値が決まるワケじゃないのに!

 どこにも所属していない自分、それこそが本当の自分ですよね。好きなことに打ち込んでいる自分。しっかりとした自分の意見を持っている自分。友達や家族と心安らぐ時間を過ごすことができる自分。そういう自分なしに生きていくなんて、それは自殺行為ですよ!

シリコンバレーにいていつも思うのは、たった1人の狂気で世の中が動くということです。

 「自分が好きなこと」に打ち込んでいると、人から見れば「狂気の沙汰」としか見えません。それも半端なレベルじゃ、ただのバカで終わっちゃいますけど、とことん突き詰めていくと、それはもう「オンリーワン」の世界です。「何だか分からないけど、スゴイ!」と思われるようになれば、世界が変わります。

弱点がチャンスだということ。コンプレックスがチャンスだということ。

 人間とはあまのじゃくなもので、自分が得意なことを人から誉められても、ちっとも嬉しくないんですよね。余り得意でないことを頑張った事に対して誉められると、それはもの凄く嬉しいんです。

 だから、自分がコンプレックスだと思っていることを、思い切ってやってみるのって意味があるんですね。ダメモトでやってみると、無駄な力が入らないので案外楽にできてしまったりして。そこで味を占めると、もの凄く楽しくなってしまうってことがあるんです。

 

フューチャリストとは、専門領域を越えた学際的な広い視点から未来を考え抜き、未来のビジョンを提示する者のことである。

 日本人にはスペシャリストは多いけれど、ゼネラリストは少ないと言われています。全体を俯瞰するような見方を出来る人が少ないというか、殆どいないんですね。全体感をイメージし、それに合わせて細部を誰に任すのかを決め、的確な指示をする。

 そういうプロデューサー的な考え方ってのが、日本にとって最も不足している部分だと思います。だからこそフューチャリストに期待するものは大きいのです。でも人をアテにするばかりではいけません!自分の頭の中に、そういう考え方を少しずつ増やしていきたいとみんなが思うようになったとき、日本は大きく変わるのかもしれません。

767冊目

« 『ピクトさんの本』 内海慶一 | トップページ | 同僚の送別会 »

新書」カテゴリの記事

Life Hacks・Web」カテゴリの記事

コメント

Rokoさん、はじめまして。BlogPeopleからお邪魔してます。
この日記を拝見し、
「自分と同じような事を考えている人が、日本にもいるんだな~。」
と、なんだか嬉しくなりました!
>全体を俯瞰するような見方を出来る人が少ないというか、殆どいないんですね。全体感をイメージし、それに合わせて細部を誰に任すのかを決め、的確な指示をする。
私も全く同じような事を感じています。そして、日本が大きく変わる事を強く望む一人です。
まだRokoさんの全ての日記を拝見できてはいませんが
これからも、ちょくちょくお邪魔させてくださいね!
宜しくお願いいたしします。

faywayさん☆始めまして!
今の日本に一番不足しているのは、「しっかりと考えて生きている人」だなぁと最近思うんです。
今よりも1つ上の視点に立てるように頑張らねば!
これからも、よろしくお願いします。m(__)m

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『フューチャリスト宣言』 梅田望夫 茂木健一郎:

» 私的、フューチャリスト宣言! [fayway日和]
数年前、ウェブ関連の情報を求めネット上を徘徊していた際 梅田望夫氏のブログ↓に、偶然辿り着いた。 ■My Life Between Silicon Valley and Japan http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/ それ以来、難しい事は良... [続きを読む]

« 『ピクトさんの本』 内海慶一 | トップページ | 同僚の送別会 »