『図書館危機 図書館戦争シリーズ (3)』 有川浩
郁はあいかわらず気が短くて不器用だけど、いつも必死にがんばるところが清々しい奴です。堂上さんからはいつも怒られっ放しだけど、それも期待されているからこそなんだよなぁって感じるようになってきました。
これまで情けない役はいつも郁でしたけど、「昇任試験、来たる」では手塚が苦手な科目があることが発覚して、おまけにその科目は郁にとっては一番得意なものだから、立場が逆転してしまった2人が妙に可笑しかったです。(#^.^#) 世の中に完璧な人などいないんですよね~。
今回も本をめぐってシビアな話がいくつか登場してきました。特に「ねじれたコトバ」で取り上げられていた「差別用語」には、考えさせられてしまいました。「床屋」という言葉が差別用語だなんて!この本の世界だけでの話かと思ったら、実際にもそうなんですね。
ネットで調べてみたら、新聞・放送各社では「A…使用しない」「B…特別な場合意外は使わない方がよい」「C…文脈によっては使わない方がよい」というようなランク付けがあるのだそうです。
「床屋(理髪店)」「八百屋(青果商)」「魚屋(鮮魚商)」「パーマ屋(美容院)」「獣医(獣医師)」「未亡人(故○氏の夫人)」「出稼ぎ(季節労働者)」などはCランク、気を付けて使わなければならないレベルなんです。「狂気」「正妻」「共稼ぎ(共働き)」「オールドミス」などもこのレベルです。(カッコ内は推奨する言い換え)
Bレベルとなると、「二号・妾(愛人)」「ぽん引(客引)」「どさ回り(地方巡業)」「支那竹(メンマ)」「バカチョンカメラ(自動焦点カメラ」)」「百姓(農民)」「女中(お手伝いさん)」「くず屋(廃品回収業者)」「興信所(調査会社)」などなど。シナチクやバカチョンは確かにまずいなと思うけど、「客引きとぽん引じゃ意味が違うぞ!」って思うんですけど~!?
「沖仲仕(港湾労働者)」もBレベル!「沖仲仕の哲学者 エリック・ホッファー」って書いちゃいけないワケ!?
Aレベルは、ズバリまずい言葉が並んでますが、「河原こじき(役者)」「土方・人夫(建設作業員、建設労働者)」「気違い(精神障害者)」この辺の言葉ってわたしの感覚ではBくらいなんだけど、文章にしてはまずいのだそうです。
このまま行くと、近いうちに「ホームレス」「ニート」「引きこもり」等もこのリストに載るんじゃないかという気がしてきました。知らないところでこういうルールが決まっていくという所怖いなぁと思います。お互いを尊重するということと、言語統制を一緒にしないで欲しいと心から願います。
さて、本の方に戻りますが、図書隊員の階級章にも使われているカミツレ(カモミール)の花言葉は、「苦難の中の力」。
郁は少しずつ前進してますね。どんな所へも飛び込んでいくことができる彼女にこの花言葉はピッタリです!
いよいよ次作で大円団ということになりそうですが、またまた大暴れするんだろうなぁ。今から楽しみです。(#^.^#)
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カミツレのような小道具の使い方が、上手いなあと思いました。
次で終わりっすね。早く読みたいけど、終わってしまう寂しさもあります。
最後は派手に打ち上げて欲しいですね。
投稿: しんちゃん | 2007年9月 4日 (火) 18:11
しんちゃん☆こんばんは
カミツレの花言葉にシビれてしまいました!
次作で本当に終わっちゃうのかなぁ?
でも、早く読みたい!(#^.^#)
投稿: Roko | 2007年9月 4日 (火) 22:22
こんばんわ~。
やっぱり良いですよね~。
大好きです、図書館シリーズ。
「床屋」は私も知らなかったです。
次回作で最後ですよね。
寂しいような・・・早く読みたいような・・・。
投稿: 苗坊 | 2007年9月 4日 (火) 22:26
苗坊さん☆こんばんは
図書館シリーズがこんな展開になるとは思いもしませんでした。(^_^;
郁とお母さんの関係も良くなるといいなぁ!
次回作「革命」が楽しみです。
投稿: Roko | 2007年9月 4日 (火) 23:31
差別用語は、私も気になって調べてみました。
こんなものまで!と思うのが結構あったりして、ビックリでした。
最近の話では『ネットカフェ難民』の使用について申し入れがあったりと、現実的な問題なんですよね。
ちゃんと考えていかないとなと思いました。
次回作の発売まで、もうすぐですね~
待ち遠しいです♪
投稿: エビノート | 2007年9月 5日 (水) 19:41
エビノートさん☆こんばんは
「ネットカフェ難民」も差別語かぁ!
言葉はどんどん一人歩きしていくんですね。
ところで、次回作でも郁は全開で走りまくるんでしょうね。楽しみ~!(#^.^#)
投稿: Roko | 2007年9月 5日 (水) 22:09
郁と堂上の仲がどうこういう感想ばかりが目立つので、このような取り組みはいいですね。著者はこういう問題を真剣に考えた上で訴えたいのだと、ぼくはそう思っています。
投稿: ディック | 2007年9月 5日 (水) 22:35
ディックさん☆お褒めに預かりとても嬉しいです。
ニュージャージー州の車のナンバープレートにはこう書かれています。
「Live free or let die」
わたしは、いつもそういう気持で生きています。
だからこそ、こういう問題は見逃せなくなってしまうのです。
投稿: Roko | 2007年9月 6日 (木) 23:52