『映画篇』 金城一紀
ああ、なんて素敵なんでしょう!
この本に収められているのは5つの短編なのです。それぞれがまるで関係ないようなフリをしていますが、最後にピシッと1つにまとまるところがとてもいいんです!
太陽がいっぱい
アラン・ドロンの出世作ですね。女声ファンが増えすぎて、それゆえに見ていない男性が結構いたんじゃないかな?主人公リプリーが逃げ切れなかった所が気に入らないと、語り合う「僕と龍一」。こうやって熱く語れる友がいるって幸せだなぁ。
最初、この話はノン・フィクションじゃないかなぁって思ったんです。僕=金城さんなんじゃないかと思えるところが沢山ありました。
ドラゴン怒りの鉄拳
この映画をお奨めするビデオ屋さんの青年は絶対にいい人ですよ。彼となら、正義のために戦えるはずです。
恋のためらい/フランキーとジョニーもしくはトゥルー・ロマンス
僕と石岡は一緒に映画を見に行った。そして、今度は現金強奪の計画を立ててます。
ペイルライダー
ユウは孤独な小学生。両親の仲が悪くて毎日もめてばかり、夏休みの間一日も遊んでもらっていない。そんな彼がであったのはオートバイに乗ったおばちゃん。生まれて初めて乗せてもらったバイクはとっても格好良かった。
愛の泉
おじいちゃんが亡くなってから、おばあちゃんはすっかり元気がなくなってしまいました。そんなおばあちゃんを励まそうと、孫たちがある計画を立てます。
それぞれ別の人生を歩んでいる人たちなんだけど、みんな同じ映画を見ていたんですね!その映画は「ローマの休日」。わたし、決してヘップバーンのファンではないんですけど、この映画は大好きです。「真実の口」も、ベスパに乗る2人の姿も、トレビの泉も、ジェラートを食べるシーンも、どれもいいなぁ!
この映画はわたしにとっての、イタリア初体験だったのかなぁ?この映画ができてから、イタリア旅行へ行く人が増えたそうですが、それも納得できちゃいますね。
そして、この本の中で取り上げられている映画はどれもいいですねぇ!わたしも大好きなブルース・リーとスティーブ・マックィーンの話が何度も出てきましたね。自分が高校生の時のことを色々と想い出しました。
教室の壁には「栄光のル・マン」のポスターが貼られていました。(そういうのが許されるゆるい高校でした。)そして、ブルース・リーが大好きな同級生がいました。ヘアスタイルもそっくりで、休み時間になると、しょっちゅうアチョーってやってたなぁ。
いい映画はみんなの心に残ります。一緒に笑ったり、泣いたり、憧れたり、時には人生を決めてしまったり。すてきな映画との出会いは人生を豊かにしてくれます。
そんな映画をテーマに書かれたこの本も、とても素敵でした。96本もこの本の中に登場していたんですってね。わたしはその内35本しか見てません。ああ、また映画が見たくなりました。
774冊目
金城さんのインタビューページ発見。→ こちら
もうちょっと早く見つけていればイベントに参加できたかもしれなかったのに、残念!
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●太陽がいっぱい
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こんばんは。
5つの短編、どのお話も素敵でしたね。
そして観た映画の場面を思い出して、
何回も何回も懐かしさに浸っていました。
「ローマの休日」は私もイタリア初体験でした(笑)。
投稿: 藍色 | 2007年10月 9日 (火) 23:22
映画を観たくなる物語でしたね~。
どの短編も良かったけれど、それぞれが繋がっているというのもまた心憎いです♪
特に、最初と最後の短編が好きでした。
投稿: エビノート | 2007年10月10日 (水) 00:04
藍色さん☆アッ嬉しい!
藍色さんも「ローマの休日」がイタリア初体験だったんですね。(#^.^#)
こういう映画を見ると、舞台となっている土地まで好きになっちゃいますよね!
エビノートさん☆
ますます映画好きになっちゃいますよね!
最初の作品は、小説とは思えない感じがしました。
そして最後の作品は、とにかく素敵です!(^^)v
投稿: Roko | 2007年10月10日 (水) 07:21
どの物語にも出てくる公民館で開かれる「ローマの休日」そして最初の方にある手書きのポスター。
最後まで読んで、あぁここだったんだって、すごく嬉しくなりました。
映画見たくなりますよね。
「ドラゴン怒りの鉄拳」のレンタルショップの店員さんに私にピッタリの映画を選んで欲しいです。
投稿: なな | 2007年10月10日 (水) 09:46
ななさん☆あの店員さんの趣味いいですよね!
色んな思いを持った人達が1ヶ所に集まったラストは、本当にステキでした。(^^)v
投稿: Roko | 2007年10月10日 (水) 22:24
Rokoさん こんばんは。
私は金城さん初読みでした。
イメージと違ってびっくり。
ブルース・リーファン、多いですよね。
うちのアニキもヌンチャクとか
ふりまわしてた気が…(笑)
投稿: naru | 2007年10月11日 (木) 20:59
naruさん☆こんばんは
金城さんの作品をどんどん読んで下さいね。
ブルース・リーは永遠のアイドルですよ!
わたしが高校生だった頃は、まだヌンチャクを買うことができなかったので、似たようなものを手作りしてポーズ取ってた友達がいました。(^^)v
投稿: Roko | 2007年10月11日 (木) 21:30
こんばんわ^^TBさせていただきました。
最後の作品で全てがひとつになるのが良いですよね~
なるほど、こう言う事だったのかって納得でした。
金城さんのオススメ映画、観てみたいです。
投稿: 苗坊 | 2007年11月18日 (日) 00:24
苗坊さん☆こんにちは
>金城さんのオススメ映画、観てみたいです。
沢山出てきましたねぇ!
映画を見る楽しさだけでなく、語り合う楽しさってのもいいですよね。
投稿: Roko | 2007年11月18日 (日) 10:53
おはようございます♪
私はペイルライダーと愛の泉が大好きでした!バイクのおばちゃんカッコいい~
私はあまり映画を見ない人なので、この本に出てくる映画はほとんど知らなかったんですが、それでも楽しめました。
Rokoさんはたくさん映画を見ておられるのですね!すごい!だと、この本を深く楽しめたのでしょうね~いいなぁ。(*^^)
投稿: 板栗香 | 2008年4月 2日 (水) 05:30
板栗香さん☆おはようございます
ペイルライダーのおばちゃん、カッコ良かったですよね!
映画でないと表現できないものってのもありますからね、是非名画を見てくださいね。
投稿: Roko | 2008年4月 2日 (水) 08:02
Rokoさん、ようやく映画篇読みました!
「GO」や「SP」のハードなイメージと「対話篇」の切ないイメージから一転して、ホームドラマのような話もありましたね。金城さんがこんなアットホームな話を書くなんて、正直意外でしたが、すごくよかったです!
「ローマの休日」の真実の口のシーンは隠し撮りのアドリブで、オードリーはほんとうにびっくりしていたらしいです。
投稿: 日月 | 2009年1月12日 (月) 01:03
日月さん☆おはようございます
あの真実の口のシーンはドッキリだったんですか!
あれ以来、世界中で真似されたんでしょうね。(*^_^*)
映画の主人公に心惹かれる思いは、いつまでも消えないものなのだと思いませんか?
投稿: Roko(日月さんへ) | 2009年1月12日 (月) 10:10
Rokoさん、こんばんは。
コメント&トラバありがとうございます。
「映画篇」を読んで、見たい映画(DVD)のリストが増えてしまいました(笑)
「ローマの休日」は昔ビデオで見たけれど、ブルース・リーの映画は見たことがないです。私が小学生の頃、流行って男の子たちが夢中になっていました・・・。
投稿: 牛くんの母 | 2009年1月20日 (火) 22:32
牛くんの母さん☆こんばんは
ブルース・リー大好きです!全部観ました。
「太陽がいっぱい」を観たら、絶対にアラン・ドロンのファンになっちゃいますよ!
ローマの休日は、みなさんオードリーが良いとおっしゃいますが、わたしはグレゴリー・ペックの方が好きです。(*^_^*)
投稿: Roko(牛くんの母さんへ) | 2009年1月20日 (火) 22:48