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『日本人には教えなかった外国人トップの「すごい仕事術」』 フランソワ・デュボワ

 キャリアという言葉の語源はラテン語のcarrariaです。この意味は、実は「道」といったものなんですね。(本文より)

 キャリアといえば、プロフェッショナルな経験という意味で使われがちですが、本来の言葉の意味から考えると、人生そのものを指しているのかもしれません。人生をどう歩んでいくのか?をイメージする事が大事だとよく言われますが、若い頃からそれが分かっている人なんて、ほんの一握りなのかもしれません。

 この本の中でデュボアさんが対談しているのは、以下の方々です。

 カルロス・ゴーン(日産自動車)
 リシャール・コラス(シャネル日本法人)
 マリア・メルセデス・M・コラーレス(スターバックスコーヒー・ジャパン)
 アントワーヌ・サントス(エコール・クリオロ)
 ディエリー・ポルテ(新生銀行)

 この5人に共通しているのは、若い頃から「経営者になりたい!社長になりたい!」と思っていた訳じゃないということです。一生懸命に働いたのは間違いないけれど、今の地位に就いたのは偶然なのだと皆さん口を揃えて言っているのです。

 そして、これまた全員が異口同音に言っているのが、「失敗を怖れてはいけない」「仕事は楽しまなければいけない」「家庭を無視して仕事をするなんてことはあり得ない」ということです。

 失敗を怖れるから挑戦ができなくなってしまう。同じ事ばかりの繰り返しから楽しさを見出すことは難しい。そんな仕事だと無駄な時間ばかりになる。そして家族をないがしろにしてしまい、結局は孤独になる。孤独だから相談ができない。相談ができないから益々古い体制を崩すことができない。

 悲しい連鎖です。(^_^;

 仕事も、家族も、友達も、世の中のすべては無関係ではないということを考えさせられました。

 そしてわたしはこう思うのです。「つまらない仕事」などというものはないのです。その仕事をつまらないと思うかどうかだけなのです。つまらないと思う自分が「つまらない人間」なのです。誰かのことを「嫌な人」と思う自分が「嫌な人」なのです。

 嫌なことを無理矢理する必要はないけれど、嫌な理由を自分以外の人や物に転嫁してはいけないと思うのです。それを楽しい方に変えられないのか?自分は何かを誤解していないか?そう考えることが大事なのだと思います。

 時には努力をしても、見返りが得られないことがある。感謝されないこともある。でも、それでいいのです。心をこめて行動し、自分が納得していれば、やるべき事をやったのだと思っていれば、それでいいのです。他人の評価ではなく、自分自身で評価できたかと問い、「イエス」と答えられる生き方ができているかどうかが重要なのです。それが本質、人生の本質だと、僕は思います。あとのことは、残念ながら偶然というほかない。それが、僕の結論です。(あとがきより)

 いつも最善を尽くすこと、それこそが自分らしく生きていくことなのですね。

 この本のタイトルに「仕事術」という言葉があるので、そういう本だと思って手にとってのですが、実はもっと深いことを語っている本だなぁと思いました。仕事というよりも、「哲学」という方が合ってるんじゃないかなぁ?

 最後に、この本の中でわたしが気に入った言葉を。

 「道に一旦入ってしまったからには、後悔はしない。わたしは後悔をしないことに決めているので。」「自分の限界を超えることを怖れてはいけません。」 by リシャール・コラス

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コメント

ん~、興味深そうな内容ですね!
>他人の評価ではなく、自分自身で評価できたかと問い、「イエス」と答えられる生き方ができているかどうかが重要・・・
>、「失敗を怖れてはいけない」「仕事は楽しまなければいけない」「家庭を無視して仕事をするなんてことはあり得ない」
全くその通りですよね~、全ては自分自身と向き合いながら、一所懸命力を尽くした結果という所が素晴らしいですね!
是非読んでみたいと思います!

faywayさん☆ぜひぜひ!
この本に登場するどの方も、優秀なビジネスパーソンでありながら、個人の時間というものもとても大事にされているところがとても印象的でした。
そして皆さん日本という国をとても愛して下さっていて、嬉しくなってしまいました。

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