『脳は直感している』 佐々木正悟
大事なのは理由や結果を求めるのではなく、自分の直感を大事にして、生きていくことだ。外出しない。ということを直観的に判断した結果、今日を無事に生きることができた。と喜ぶ態度が大切だ。そこに説明や理屈はいらない。(本文より)
「虫の知らせ」とか、「第六感」とか呼ばれる感覚は、突然降ってわいたように感じます。でも、実はそうではないらしいんです。普段自分が受けている情報を分析して、脳がキチンと判断を下している結果、それが「直感」なんだそうです。
いろいろ考えると、かえって余計な条件が増えてしまいます。たとえば、こっちの方が安いからとか、こっちの方が評判がいいからなんてね。ところがそういう条件こそが間違える原因なのです。自分が本当に欲しいものは、考えずに選んだ方が正しいのです。
自分の脳なのに、その脳が普段どんなことをしているのかに気付かずにいるって、何だか不思議ですねぇ。「考えてるぞ~!」って感じさせずに考えているって、脳って凄い能力があるんですねぇ。だから、それをムダにしちゃいけません。
1日に5分でも10分でも良いので、「自分自身の状態」にじっと耳を澄まし、それを抑圧したり、ほかへ気をそらしたりしないように気を付けるだけである。こうすると、自分の体が痛みを訴えているのに、日頃無視していたり、ずっと以前にどうしてもやろうと決意したことを、すっかり忘れていたことを想い出して驚くことが多い。
忙しさにかまけて自分の時間が無くなると、判断力が落ちてしまうのです。きちんと考えることができなくなってしまうのです。ただ生きているだけになってしまうのです。忙しいという字は、心が亡いと書きますよね。「忙しい」ということを自慢だと思っているあなた、大丈夫ですか?
自分の行動は、すべて脳が命令を出しているのです。直感的に分かることと思っていても、それは事前に脳が判断している結果なのです。その直感を働かせるには、自分のことを見つめる時間が必要なのです。自分を観察する時間を作らなければ、それを解析できません。
自分を見つめ直す時間、それこそが脳の能力を最大に引き出すのに大事なものなのですね。
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