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『キリスト教は邪教です!』 フリードリッヒ・ニーチェ


キリスト教は邪教です!

フリードリッヒ・ニーチェ
講談社+α新書

 

 

 この本を読み始めて、まず想い出したのは Sex Pistols の「Anarchy in the U.K.」です。あの曲の最初の言葉は「 I am a anticrist」。Pistols より90年も前にこんな本を書いていたニーチェって凄い人です。

 アンチクリスト、つまり反キリスト教論ですが、決してキリスト自身を非難しているのではありません。新約聖書を書いたのは弟子達なのですが、彼等が勝手に作り上げてしまったものなのだと言うのです。だから、キリスト自身が目指したものとは違うものに成ってしまっているのだと主張しています。

 キリスト教を信じることは、科学を否定することなのです。(本文より)

 地動説も、進化論も、キリスト教は認めてなかったんですよね。それどころか、未だに認めていない宗派だってあるし。科学の発達の邪魔をするようなことは数多くやってます。

 キリスト教の暴力性も、実はスゴイものがあります。最近はアルカイダが仏像を壊したって問題にしてますけど、かつて十字軍は世界中を破壊しまくってました。魔女裁判で、大勢の罪のない女性を火あぶりにしたことも忘れてはいけません。

 仏教では、強い命令や断定を下したり、教えを強制的に受け入れさせることはありません。なにしろ、一度出家して仏の道に入った人でも「還俗(げんぞく)」といって再び一般の社会に戻ることができるくらいですから。

 ニーチェは仏教の方が自由度が高くて洗練された宗教だと言っていますが、これもまた宗派によって考え方が違うので、一概にそうとは言えません。

 宗教とは人を助けるために存在するものであるはずなのに、実際には逆の場合が多いのは悲しいことです。世界の平和、一人一人の心の平和の為に発生した宗教なのに、それを悪用する人が必ずいるというのは悲しいですね。

 信仰とは、信仰されているものの特徴や欠点を見ないようにすることだからです。

 映画「マルコムX」を見たときにも思ったのですが、嫉妬や私欲を宗教に持ち込むのって本当に許せません。それって詐欺じゃありませんか!権力をふりかざして弱い人達を騙すなんて最低の行いです。

 これまで、ニーチェは難しそうで敬遠していたのですが、この本は現代語訳なのでとても読みやすかったです。この本に書かれている内容も、まるで現代のことを言っているようで「そうそう!」と頷くことが多かったんです。

 ニーチェは面白い! 「ツァラトストラはかく語りき」 を読みたくなりました。

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コメント

さて、ディックの本棚の読者には、キリスト教徒の方がいらっしゃるのがわかっていますので、なかなか気を遣います。
この本はどうも文の調子が攻撃的ですし…。
Roko さんはぼくの感想を読んでいただいていますし、コメントのやりとりも読まれていると思いますので、ぼくの本音がどこにあるか、承知していらっしゃると思いますが。
「政治はどうも…」とかおっしゃいますが、政治の半分は宗教ではないか、くらいの実感を抱いています。どちらもブログでは扱いにくい。本の感想に紛れさせて、ときどき本音を吐くようにしています。

ディックさん☆こんばんは
こういう内容に対して感想を書くのって確かにビミョーです。
でも避けてばかりいてはいけない部分だとも思うんです。
知らないがために騙されてしまう人、無用な悩みを抱えてしまう人、自分の人生を自分以外のものに振り回されてしまっている人達が、世界には本当に沢山いるのです。
本当の自由とは何なのか、真実はどうなっているのかを自分の頭で考えること、それこそが一番重要なことだと、わたしは考えています。
ディックさん、本音は大事ですよ!

Rokoさんこんばんは。
あれれれ!?確かコメント書いたような気がしたんですが、書いてませんでしたね・・・。なんでだろ。自分のブログでレスを返したのと混同してたのかなぁ???
うーん。すみません今頃。。。ちょうど記事のUPが出張と重なっていたから時期が悪かったのかも(いいわけ・・・)。

現代語訳になるだけで全然読みやすくなりますよね。こんな風に古い本を現代語訳にしてくれるのなら、もっといろんな本をスラスラ読めそうです★

やぎっちょさん☆こんばんは
どこかの出版社で、現代語訳シリーズなんて出してくれないでしょうか?
きっと面白いでしょうね!

キリスト教はボロクソに言っていても、ナザレのイエスは高評価しているので、クリスチャンに勧めても問題ないと私は思いました。グノーシス派はエホバを悪魔と定義してますし、これを読んで目覚めるクリスチャンもいると思います。

goldiusさん☆こんにちは
イエスが目指していたものと、聖書を書いた弟子たち、その後の解釈と、どんどん考え方が違ってしまっているところが悲劇の始まりであると思います。
ナザレで生まれたイエスなのに、いつの間にやらヨーロッパ人としてのイエスにすり替わっているあたりに、宗教のご都合主義を感じてしまいます。
まぁ、どの宗教でも似たり寄ったりなところはありますけどね。

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