『午前4時、東京で会いますか? - パリ・東京往復書簡』 シャンサ、リシャール・コラス
あなたと私は、男と女、生まれた土地を離れて遠くへ飛び立ち、風に立ち向かいました。私たちの選択と勇気の褒美として、人生においてもっとも美しい宝である出会いが与えられました。すべての国には貧困、悲しみ、堕落があります。運命は巡りめぐって、国家は繁栄し、衰退し、また目覚めては成長し、後退し、そして再び生まれます。
中国で生まれ、17歳でフランスに渡ったシャンサさんと、フランス生まれだけどモロッコで育ち、日本で30年以上暮らしているリシャール・コラスさんが手紙をやり取りしようというところからこの本が生まれました。
生まれたところも、今生きている場所も、仕事も、どこにも共通点がなくて、まったく違う人生を歩んでいたのに、ふとしたきっかけで出会った2人。
お互いのことを良く知らなくても、信用に足る人なのか?心を許せる人なのか?って突然分かってしまうことがあるんですよね。この2人もそんな気持ちを共有しているようです。手紙を交わすうちに、お互いの理解度が深まり、更に気持ちが近づいていくところがとてもステキでした。
自分が生まれ育った国のことって、そこに住み続けていると案外分からないのかもしれません。離れたところにいるからこそ、冷静に分析できたりするのかもしれません。いいところもあるし、悪いところもあるからこそ、その国らしさが生まれるのでしょう。
どこで生まれたのかによって、自分のある部分が形作られます。それは好きであろうと、嫌であろうと、自分の中に確実に育ってしまうのです。そして、自分では気づかないうちに、自分の行動を支配していたりするのです。
自分の中にあるそんな部分のことが気になってきました。
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