『一瞬の風になれ 第二部 - ヨウイ-』 佐藤多佳子
新二も連も2年生になりました。3年生が引退する時期になり、新二は部長に指名されたのです。
サッカーから陸上に転向して、最初はがむしゃらに走るだけだった新二が、少しずつ進歩を見せてきました。天才的なランナーの連の走りに憧れるだけでなく、いつかは追いついてやるという気持が出てきました。
そして、もう1人の天才である兄はプロのサッカー選手となるのですが、彼との関係もこれまでとは随分違うものになっていきます。
身近にいる2人の天才と自分とを比べて、どうせ自分なんかと思いがちだった新二くんが、段々と自分に自信を持ち始めるところがとてもいいなぁって思います。
そして、最後の章で大きな事件が起きて、新二くんはとても悩みます。自分ではどうにもできないものに押しつぶされそうになってしまいます。
辛くて、誰にも会いたくなくて、1人になりたくて、でも1人でいると嫌なことばかり考えてしまいます。そんな自分を助けてくれるのは、やっぱり友達なんですよね。何も言わなくても、側にいてくれて、背中をポンと押してくれる友達がいるって、何よりの幸せです。
新二くんには、連がいます。陸上部の仲間がいます。そして走ることが、自分にとってどんなに大事なことなのかを知ったのだと思います。
そんな新二くんの姿に、胸が熱くなりました。
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コメント
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「一瞬の風になれ」、
いまのあたしに、
♪この木なんの木気になる木~♪
の一冊です( ̄▽ ̄)σ
だから、ごめんちゃい。
Rokoさんの文章まったく読まずに、
コメント枠に到達!!( ̄□ ̄;)
近いうちにトラバするぞー♪
といっても、来年かな・・・( ̄∇ ̄;)
投稿: つたまる | 2007年12月 8日 (土) 03:46
つたまるさん☆はやく読んで下さいね!
面白いんだからぁ~、ネ!
トラバ待ってまーす。
投稿: Roko | 2007年12月 8日 (土) 20:47