『累犯障害者』 山本譲司
2006年1月に下関駅が放火で焼失した事件を覚えていますか?そして、犯人が駅に火をつけた動機は、「刑務所へ戻りたかった」ということをどう思いますか?
犯行の数日前に刑務所から出た彼は、お金もないし、行くところもなく、北九州市内の役所へ相談に行ったのです。生活保護を申請しようとしたら、「住所がない」と断られたのだそうです。そこで電車の切符を一枚もらいました。その切符の行先が下関だったのです。
こんなことなら刑務所に戻りたいと思った彼は駅に火を付けたのです。この本の著者が彼に、「そういう理由だったら無銭飲食や泥棒でも良かったんじゃないの?」と質問したところ、「そんな悪いことはできない」と答えたというのです。
この犯人、実は知的障害があったのです。でも、彼の生涯を調べてみると、養護学校などでの教育を受けたことがないのです。家族も社会も、そんな彼を放置してしまったのです。彼のような状況で刑務所に入っている人達はかなりの数に及ぶというのです。
「障害者を食い物にする人々」、「ろうあ者暴力団」など、どうしてそんなものが存在してしまうのかとビックリすることばかりです。
そうなっていく1つの原因として、教育の欠如というのがとても気になりました。日本の義務教育普及率は99%と言われてますが、どう考えてもウソです!
障害者であっても、それを申請しないことには養護学校へ行くこともできないし、障害者年金をもらうこともできないのです。親や周りの人達にそういう知識がないと、彼等は暗闇の中に放置されてしまうのです。
知らないが故に罪を犯してしまったり、自分を弁護するだけのコミュニケーション能力が無いために、全く関係のない罪を負わされてしまったり。刑務所の中にしか安住の地がないという人がたくさんいるという事実は、余りにも悲しすぎます。
この本に登場するある男性は、聴力がないというだけで知的障害は全くありません。しかし彼は学校教育を全く受けていなかったために、手話や文字を全く知らずに大人になってしまったのです。これは決して昔の話ではなくて、今起きている事なのです。
この本に書かれている事実は、健常者の世界で生きていると、全く気付かないことばかりです。障害を持っていることによって、犯罪に狙われやすい立場に追いやられている人がさぞかし大勢いるのだろうということに始めて気付かされました。
ここ数年、手口が更に巧妙になっている「振り込め詐欺」も、老人という弱者を狙った犯罪ですが、こんなにも弱者を食い物にしようとしている健常者が多いということに、とても悲しくなってしまいました。
でも、これも事実なのです。世の中には良い人もいれば、悪い人もいます。悪い人に騙されそうになっている人がいることに気付いたら、そっと助けることができる自分でありたいと思います。
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» 累犯障害者/山本譲司 [ひまさえあれば]
元国会議員の作者は秘書給与詐取の罪で服役中に障害を持つ受刑者たちに出会い衝撃を受けます。ワタシはそもそも障害者が刑務所にいるということ自体考えが及びませんでした。作者は出所後障害者が起こした数々の事件を追いながら繰り返し罪を重ねる障害者たちのショッキングな現実を知り、それを伝えています。ワタシ自身認識が甘く驚くことばかりが次々と書き連ねてありました。取り調べ、裁判の難しさ。障害者が障害者を食い物にするという実態。福祉的支援ネットワークの不備。そして法律…刑務所は1908年に施行された「監獄法」によっ... [続きを読む]




あたしは生まれも育ちも山口なんで、
下関駅放火のニュースは、全国の人より見てたんじゃないかな~。
そういう過去があるのね。。。
これからはじまる陪審員制度、
一般市民がどこまで「被告」の半生に目を向けられるか、自分自身も意識しないとね。
投稿: つたまる | 2008年1月 5日 (土) 01:53
つたまるさん☆山口出身だったんですね!
それじゃ、あのニュースはとても気になりましたね。
陪審員制度って本当に導入されるのでしょうか?
難しい問題が山積みですね。
投稿: Roko | 2008年1月 5日 (土) 09:08
ただ、焼けようが焼けまいが、
どっちにしろ前々から建て替えする予定だったという話もある。。。
( ̄∇ ̄;)
投稿: つたまる | 2008年1月 5日 (土) 14:40
つたまるさん☆へぇ、そうなんだ!
そう考えると、少しは気が楽かも?
投稿: Roko | 2008年1月 5日 (土) 19:03
Rokoさん…今年もヨロシクお願いします。
この本にはホント驚かされました。
知らないことが多すぎて…。
『裁かれた罪裁かれなかった「こころ」』を読み始めました。
今年もノンフィクションにも熱い目を向けて行こうと思います。
投稿: ユミ | 2008年1月 9日 (水) 18:29
ユミさん☆こちらこそ、よろしくお願いします。
こんな人達が世の中にたくさんいるなんて、何だか信じられません。
ノンフィクションっていうカテゴリーも面白そうだなぁ~、読みたい本が増えて困っちゃうなぁ。(^^ゞ
投稿: Roko | 2008年1月 9日 (水) 22:06