『三位一体モデル TRINITY』 中沢新一
神は「父」と「子」と「霊=スピリット」でできた ”TRINITY”として現れると考えたのです。もちろん、キリスト教も一神教ですから、そこには神は1人しかいないのですが、じつは、この神は「三位一体の顔を持つ」のだ、というように表現したのです。
「父」というのは原理とか概念とかといった、ものごとの基本となるものを表しています。「父」は「子」を生み出します。「子」は神と人間の間をつなぎます。そして「霊」は「増殖するもの」なのです。
この説明として「予備校」が例に挙げられていました。
成功や幸福という概念が「父」(企業における企業理念にあたる)。その「子」は予備校という法人です。そして、予備校の教師群が「精霊」なのです。スターのような先生方は専門の技を持った増殖装置だと考えられるのです。
この3つのバランスがうまく取れたとき、物事はうまく動いていくと考えられるのです。
世の中を見渡してみると、実はこの3つの内の2つしか無いことが多いようなのです。ある商品という「子」がいて、それを売ろうとする営業や企画の人間が増殖装置(霊)がいて、というパターンですね。「父」の部分である「理念・概念」は何処へ行ってしまったのでしょうか。
どんなことをするにしても、基本理念というのは重要なはずです。「何故そうしたいのか?」「それによって世の中に貢献できるのか?」という部分をないがしろにしていたら、おのずとバランスは崩れていきます。
三位一体モデルは、なかなか奥が深いですね。
819冊目(今年2冊目)
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