『アサッテの人』 諏訪哲史
不思議な小説でした。現在は行方不明になっている叔父さんのことを回想するという形で語られていたのですが、叔父さんの日記の部分があったり、筆者の思い出が語られたり、どんどん変わっていく文体に翻弄されっぱなしでした。
アサッテである伯父さんの言葉を調べていくうちに、筆者が発見する「エルレ」という言葉を調べるうちに、こんな話が出てくるのです。
彼が読んでいた本の中に、亜麻布を量る単位として「エレ」或いは「エルレ」という言葉が載っている
あれ、このフレーズに記憶があるなぁって思ったんです。そうだ、「逃亡くそたわけ」の花ちゃんのセリフだ!ってことは、この原典があるってこと?と思い調べてみました。
これって「資本論」に出てくる文章なんですね。そうだったんだぁ~!
ところで、この本は斬新だと思うか、訳が分からないと思うか、賛否両論でしょうねぇ!わたしとしては、つまらなくはないけれど、もう一回読みたいとは思わないというところかなぁ?
838冊目(今年21冊目)
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