『ジャージの二人』 長嶋有
バツ2でカメラマンの父と、只今失業中の息子、2人で夏の終わりの山荘に出かける。というところから物語が始まります。
母と娘だったら、なんだかんだと話すことが多いけれど、男同士の無口なコミュニケーションって、何だか可愛いなぁって気がしました。
山荘の庭に置いた五右衛門風呂とか、袋いっぱいのジャージとか、お祖母ちゃんがもったいながりで、山荘にいろんなものを残してくれているのが笑えちゃいます。
そのジャージを着た二人が、お互いの姿を見て「ドリフのコントみたいだ」っていうところでクスクス、飼い犬の毛の色が麦芽飲料のような色なので名前が「ミロ」だいうところで、なーるほどなんて、なんだか気持よく読めてしまう文章なのです。
2人とも、実は大きな問題を抱えているらしいんだけど、お互いにそれを口に出そうとはしない距離感が、男同士ってことなのかな?って感じました。
この作品は、今度映画化されるんですって。お父さんを鮎川誠がやるらしいんだけど、彼がださいジャージを来ている姿って、想像しただけで可笑しいなぁ!
お祖母ちゃんのコレクションかどうかは定かじゃないけど、ソニー製のワープロが出てきたところで、思わずニヤニヤしちゃいました。だって、わたしも持ってたんだもの。2インチのFDが付いていたワープロ、今から20年くらい前の製品だったんですよ。
843冊目(今年26冊目)
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