『共感覚者の驚くべき日常』 リチャード・E. シトーウィック
脳に関する本を読んでいると、共感覚(Synesthesia)という言葉によくぶつかります。優れた記憶力を持つ人のに関する文章をの中に、この感覚に関する記述は本当に多いのです。
でも、共感覚というものが世間に認められるようになったのは、1980年代以降のことだったんです。
この感覚を生まれつき持っている人は、それが自分だけの特殊なものだとは気付いていないのです。ところが、自分が感じる共間隔について誰かに話をすると、どうしてそんなことを話すの?頭がおかしいんじゃないの?という反応をされてしまうのです。
学術的に認められるようになった今でも、共感覚を知らない人にとって、それは信じられないような現象なのです。
表現として「とがった味」とか「黄色い声」などと言うことがありますが、共感覚者の場合、実際に丸いイメージを手の中に感じたり、黄色が見えたりするのです。つまり複数の感覚で感じるということなのです。
この感覚を持っていない人でも、複数の感覚を結びつけて記憶力を強化しようとする試みも最近増えてきました。共感覚についての興味は当分続きそうです。
845冊目(今年28冊目)
« 『お金持ちにはなぜ、お金が集まるのか』 鳥居祐一 | トップページ | 『STUDY HACKS!』 小山龍介 »
「心・脳・身体」カテゴリの記事
- 『人は、なぜ他人を許せないのか?』 中野信子(2022.06.15)
- 『努力不要論』 中野信子(2022.04.30)
- 『やわらかい頭の作り方』 細谷功 ヨシタケシンスケ(2022.01.29)
- 『生きるとは、自分の物語をつくること』 小川洋子 河合隼雄(2022.01.22)
- 『壊れた脳 生存する知』 山田規畝子(2022.01.08)
「伝記・日記・ノンフィクション」カテゴリの記事
- 『自由を手にした女たちの生き方図鑑 振り回される人生を手放した21人のストーリー』 Rashisa出版 編(2022.06.29)
- 『パラリンピックは世界をかえる ルートヴィヒ・グットマンの物語』 ローリー・アレクサンダー(2022.04.29)
- 『魂の退社』 稲垣えみ子(2022.02.27)
- 『ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌』 神山典士(2021.12.30)
- 『日本語とにらめっこ』 モハメド・オマル・アブディン(2021.12.24)
コメント