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『だらしない人ほどうまくいく』 エリック・エイブラハムソン、デイヴィッド H.フリードマン

だらしない人ほどうまくいく
エリック・エイブラハムソン
デイヴィッド H.フリードマン

文藝春秋

 <だらしな系>にメリットがあるという考えがすんなり受け入れられないのは、<きっちり>しているほうがいいに決まっているという先入観のせいだ。人びとは整理整頓にかかるコストを無視しがちであり、どんなにがんばっても、<だらしなさ>を完全に消し去ることはできないという事実に目を向けようとしない。

 この本を手に取ってみたのは、何といってもこのタイトルが気に入ったからです。

 世の中の大抵の人が「きちんとしなさい」「整理整頓しなさい」と言います。でも、そんなに片づけなければいけない理由って何なのでしょうか?探し物が見つからなくなるから?乱雑にしているようでいても、それで不自由がなければいいんじゃありませんか。

 「だらしなくしている」と感じるのは自分以外の人のことです。本人にとっては、それなりの秩序が存在しているのだということを、理解できない人にとって「だらしなく」感じるということなのです。Aさんにとっての秩序がBさんにとっての不秩序であり、Bさんにとっての秩序がAさんにとっては不秩序であるということが、往々にしてあるのです。

 「だらしない」ということは、見方を変えれば「自由にやっている」とも言えます。つまり状況に応じて臨機応変に対応できるということです。

 「きちんとしている」という状態は、いつも完璧でなければならないということです。それが無駄であるとわかっていても全部やらなければいけないんです。急に変更しなければいけない状況になっても、それに対応できない、たとえば「お役所仕事」のようなものです。

 何かをスムーズに運ぶために整理整頓しているはずなのに、本当の目的を忘れて整理整頓だけに夢中になってしまう人が世の中にはたくさんいます。車がまったく通らないのに、歩行者信号が青になるのを待っている人がいます。会社の仕事だけを生きがいにしていた人は、定年退職したとたんに何をしたらいいのかわからなくなります。

 「きちんと、真面目に」するために、どれだけの犠牲を払っているのか?どれだけ無駄なことをしているのか?と考えてみたことがありますか?ぜひ一度考えてみてください。きっと悲しくなってきます。悲しくならないとしたら、あなたの想像力はかなり悲しい状態です。

 「だらしない」と評価されている様々なことが、実はかなり役に立っているのだという発見が、この本の中にたくさん詰め込まれています。なんだか、「わたしはだらしないで~す!」と大きな声で言いたくなってきました。

 だらしない = 自由である ということに気づかせてくれた本でした。

859冊目(今年42冊目)☆☆☆☆☆ 

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コメント

なんだかほっとするようなタイトルの本ですね。
「整理整頓」とか「きちんとしなさい」とか言われつづけてうん十年。
私はどうしても部屋の中にぐちゃぐちゃしたところがないと落ち着かないのです。(決して足の踏み場もなくなっている状態にはしませんが・・)
でもそれが実の母には片付けられていないと感じられるようで、いつも「汚い」と思われているようです。
どうしてわかってもらえないのかなぁ、と思っていたのでなんだかすっきりして、ほっとしました。

ゆみさん☆ほっとするタイトルですね。
そうなんですよ、何が気になるかはその人次第ってことですよね。
その人にとって心地よい状態、それこそが「片付いた」状態なのだと理解することが一番大事なんですね。(*^_^*)

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