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『君のためなら千回でも』 カーレド・ホッセイニ

君のためなら千回でも(上巻) (ハヤカワepi文庫)
カーレド・ホッセイニ
早川書房
君のためなら千回でも(下巻) (ハヤカワepi文庫)
カーレド・ホッセイニ
早川書房

 2001年夏、パキスタンにいる父の友人から1本の電話がかかってきた。彼はわたしにこう告げた。「もう一度やり直す道がある……」

 アフガニスタンという国のことをニュースで見聞きすることはたまにあったけど、そこがどんなところなのか、どんな人が住んでいるのかなど、ほとんど知らない場所でした。

 初めてアフガニスタンのニュースを意識したのは、たぶんバーミヤン遺跡がタリバンによって破壊された時だったと思います。「どうして、そんなことをするの?」とは思ったけど、何故そんなことが起こったのかはちっとも知らずにいました。

 この物語の主人公アミールが子どもだったころ、アフガニスタンは豊かとはいえないまでにも、自由な国でした。比較的裕福だった彼の家には車もあり、召使いが住み込みで働いていました。その召使の息子ハッサンとアミールは兄弟のようにして育ってきたのです。

 タリバンがアフガニスタンを支配するようになってから、この国はとんでもないことになってしまったのですね。この本で描かれているいくつかのエピソードを読んだだけでも、タリバンのひどい仕打ちに苦しむ人たちの悲鳴が聞こえてくるようでした。

 アフガニスタンを離れて自由な世界で暮らせることになってからも、彼らの苦悩は続きます。若い人たちは、それなりに新しい世界に合わせて生きていけるけれど、年老いた人たちにとっては、心をアフガニスタンに残したままの生活だったのです。

 そんな辛い内容が多いにも関わらず、どんどんストーリーに引き込まれてしまいました。ああ、運命というのはなんと過酷で、なんと素晴らしいのでしょうか!

 この本は 書評サイト 「本が好き!」 より提供して頂きました。どうもありがとうございました。 

856冊目(今年39冊目))☆☆☆☆☆☆(絶対オススメ!)

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コメント

気弱な性格を克服できず、大切な友を裏切ってしまい、大人になっても、ずっと悔いを引き摺って生きる苦しみ。これはつらいだろう、と思います。
わが国で生活していれば、子どもがこれほど切羽詰まった状況に追い込まれるようなことは、まずないだろうと思います。
人を極限状況に追い込むテロ行為や民族の争い、そういう国に生まれないでよかったと思いますが、疑似体験にしても、読むのがつらくなるような物語でした。

ディックさん☆こんばんは
主人公の心の傷を癒すには、ああやって故郷へ戻ってみるしかなかったのでしょうね。
辛いけど、素晴らしい物語だっと思います。

Rokoさん、こんにちは♪
この作品DVDも観、原作も読みましたが素晴らしいですよね。

普段あんまり海外の話題には興味ないのですが(汗)、この話には同じ地球に生きる人間として身につまされます。
後半少しハードボイルド的な要素(救出シーンですね)もあって飽きることなく読めました。

少年時代の事件に関しては、ここまでは大きくないでしょうが誰しも“良心の痛むこと”は経験してますよね。
主人公の苦悩が晴らされる旅に出ること自体凄く勇気のいることだったと思いますし、逆にラヒム・ハーンが人間的に主人公を信頼しているからこそ生まれた物語だと思います。
原点復帰って大事ですよね。

それではまた遊びに来ます。

トラキチさん☆こんばんは
愛する誰かのためになら、人間はここまでできるんだということに希望を感じました。
とはいえ、そこまでしなければいけない世界があるということに愕然としてしまいますね。

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