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『秋の牢獄』 恒川光太郎

秋の牢獄

 

秋の牢獄
posted with amazlet at 08.03.13

 

恒川 光太郎
角川書店

 

 

秋の牢獄
女子大生の藍の11月7日は、いつまでたっても 11月8日になりません。どんなことをしても、朝になるとまた同じ日が始まってしまうのです。

 

神家没落
散歩をしていて目に入った藁葺き屋根の家。何でこんな所に?と思い近づいてみたら、家の中から人が出てきました。

 

幻は夜に成長する
リオは祖母と2人で、町から離れたところにある小さな家に住んでいました。

 

 恒川さんの描く世界は、やっぱりいいですね。背中の方から冷たい風が吹いてくるような、ゾクゾクっとした感じがたまりません!

 秋の牢獄のように、自分以外の時間が止まってしまったら、その孤独感はたまらないでしょうね。話をしたり、どこかへ行ったりということは自由にできるけれど、何をしてもまた元の時間に戻ってしまうっていうのは、辛いですよね。

 神家没落の移動する家というのも怖いですね。そんな家に閉じ込められてしまったら、どうしていいのか分からなくなってしまうでしょうね。

 「幻は夜に成長する」のリオの運命って凄過ぎます。自分の意志とは違うところで運命を決められてしまうということの怖さを感じました。

 何だか分からない力に自分の運命を決めれらてしまうって、冷静に考えてみれば普通のことなんですよね。だけど誰もそんなことを考えずに生きているんです。そして、ある時点で急に気が付くんです。「何でこんな所に自分はいるんだろう?」

 人生とはミステリーなのかもしれない!なんてことを考えてしまいました。

850冊目(今年33冊目)☆☆☆☆☆☆(絶対オススメ!)

 

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日本の作家 た行」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
納得してるはずなのに、分からない力に自分の運命が…
そう考えると、まさに人生ってミステリーなのかもしれませんね。
自分で解けるのかどうか…怖くなってきました(冷汗)。

藍色さん☆おはようございます
自分の人生、一番難しい謎なのかもしれません。
でも、分からないからこそ楽しいのだと思いたいものです。

何気なく過ごす一日の大切さとか、
見落としがちなところを
気付かせてくれたような気がしますね。
恒川さんの次の作品も楽しみです♪

エビノートさん☆こんばんは
「明日は何が起きるか分からないんだ」という気持ちで、毎日を生きないといけないなぁって思いました。
今回もいい作品でしたね。(*^_^*)

こんにちは。
こんかいも恒川さんの独特な世界が広がってましたね。
何かに捕らわれてしまった人たちの物語。
こんな怖いことじゃなくても、私だって何かにとらわれてしまうことってあるんだよなって感じました。

こんばんは、Rokoさん。
あれれ、と自分の立ち位置に驚くことってありますね。
もしかして見えないチカラに動かされている?と感じる瞬間とかも怖い。
案外自分の意志で歩いているようで錯覚だったりして、と物語だけでなく、現実にも怖さは潜んでいるものですね。
日常に繋がる怖さを恒川さんの作品からは感じます。
次回作にも期待。

ななさん☆
わたしたちは皆、何か見えないものに捕らわれているのかもしれませんね。
それに気づかずに生きていることの方が怖いのかもと思えてきました。

雪芽さん☆
わたしたちを捕えているものが、悪魔なのか天使なのか?
考えても分からないけれど、それを招いているのは自分なのだと信じたいと思います。

Rokoさん こんばんは
わずか三作で、すでに恒川ワールドを確立させているところはすごいですね!! 次作は長編に期待です!!

yoriさん☆こんばんは
恒川ワールドは、怖いんだけど魅力的ですねぇ!
ぜひ長編にも着手してもらいたいなぁって思いますよね。(^_^)/

Rokoさん、こんばんわ。
異界が日常のすぐそこにあるっていうのが怖かったんですが、
言われてみると、大きな力に流されてここにいる気がしてきました。
ほんと、人生ってミステリーかもしれません。

juneさん☆こんばんは
この本に登場した人たちは、自分が異界にいるということに気付いていましたけど、実際の世界では、それに気付いていないだけなのかも?
なんて思うと怖いですねぇ~!

ミステリアスなホラーの世界を描いているのに、
日常も実は?と想起させるのが本当に巧いですのね。
恒川光太郎さんの作品は全部読んでしまいましたが、
他にお勧めのホラーがあったら御教示下さいませ。
恩田陸と鈴木光司以外でお願いしたいのですが…。

goldiusさん☆こんばんは
フィクションなのに、実際にありそうな気持にさせられてしまうのは、やはり恒川さんの巧さなのでしょうか?
わたしはホラーはスティーブン・キング位しか読まないのですが、桐野夏生の作品はストーリーとは関係なく、いつも怖さを感じます。

>何だか分からない力に自分の運命を決めれらてしまう
たしかに、考えてみればそれはふつうのことなんだけれど、ぼくが「怖いなあ」と思うのは…、

「これはね、じつはやってはいけないことだったんだよ。きみは知らなかっただろうけれど…」
という、「隠しルールがあったんだよ」みたいな話ですね。現実社会でも自分だけ知らないルールがあった、というのはとてもイヤなものです。

ディックさん☆そうですね
何だか分からないルールの壁を作って、何かを排除しようとする力の存在に腹が立つことってありますね。
そういう目に遭うのも嫌だけど、そういうことをする側に自分がならないようにしなければとも思います。

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