『フィンバーズ・ホテル』 ダーモット ボルジャー他
コルムトビーン、ヒューゴー ・ハミルトン
ジェニファー・ジョンストン、ロディ・ドイル
ジョセフ・オコーナー
東京創元社
フィンバーズ・ホテルの101号室~107号室に宿泊している6人と1組の宿泊客の物語が、7人の作家によって描かれています。
わずか3マイルしか離れていないところで暮らしているのに、一度ホテルに泊まりたいと思ってやってきた101号室のペニー。自分の頭の中で作り上げてきたホテル・ライフを過ごしたいと思っていたのに、何故か上手くいかないのです。
102号室にやって来たのはアイヴィとローズの姉妹。家を出て久しい妹のローズは、姉にどうしても言うことができない秘密があった。
103号室のケンは、家を追い出された腹いせに、彼女の猫を誘拐してきた。
104号室のカギを手にしたポニーテイルの男をちらっと見た瞬間、支配人のジョニーは嫌な気持ちになった。
105号室のモーリーンは、レストランでレイというツアーガイドをしている男性に出会った。
106号室のメイは、ダブリンの消防士の娘だったのだが、アメリカでの生活が彼女をすっかり変えてしまった。
107号室に来た男は、レンブラントの絵画を盗んで逃げているところだ。
ダブリン市内のヒューストン駅のすぐそばにあると設定されているフィンバーズ・ホテル。ダブリン城やトリニティ・カレッジも近いから、なかなかのロケーションですよね。古くてつまらないホテルだとみんなに言われているけれど、本当にあったら泊ってみたいなぁって思えてきました。
ロキシーミュージックのブライアン・フェリーがジェリー・ホールと付き合っていたのに、何故結婚しなかったのか?という104号室の2人の会話がとっても好きでした。
何故だと思いますか?
理由は、「結婚するとジェリー・フェリーという名前になってしまうから!」
アイルランド独特の宗教感とか、政治の問題とか、色んなバックボーンを感じる内容が、とても面白かったです。続編も読もうかなぁ?
880冊目(今年63冊目)
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