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『クレイジーフラミンゴの秋』 誼阿古

クレイジーフラミンゴの秋 (GA文庫 よ 1-2)
誼阿古
ソフトバンク クリエイティブ

 子供は絶対に子供を止められないけど、大人って、その気になったら、いつでも大人止めていいんだよ、きっと(本文より)

 キング堂さんご推薦のこの本は、間違いなくロックな小説でした。

 晴(はる)は中学一年生。2学期の学級委員に選ばれてしまったのが気に入らない。他に勉強のできる子もいるし、人前に立つのが好きな子もいるし、何で自分が選ばれちゃったんだろうと思っている。

 晴が通っている中学校では、朝のHR前にも、昼休みにも、放送で Deep Purple や Van Halen がかかっている。いいなぁ、そういう学校。合唱祭で晴のクラスが選んだ曲は Bridge over Troubled Water(Simon & Garfankls) 、3年の優勝候補のクラスが選んだのは Piano man (Billy Joel)、いい選曲だなぁ!

 コーラス部に所属している晴は洋楽にとっても興味があって、ふと気になる曲がどれもいいんです。"I Don't Like Mondays"、"She's leaving home"、"Misty"、こういう曲を聴いいてる中学生って、将来有望!

 この物語は1979年の設定で書かれているので、わたしが中学生だった時の方がもっと昔なんだけど、でも共通するものをたくさん感じました。

 学校での休み時間は、いつも友達とロックの話ばっかりしていたし、部活も楽しかったし、試験は嫌だったし、給食は楽しかった!今思えば、実にガキだったんだけど、子供から大人への第一歩を歩み始めた中学生って、もの凄く傲慢で、もの凄く小心だったんですね。

 大人はどうしてあんなに勝手なんだろう?と思い、自分の言いたいことが何なのか分からず、訳の分からない毎日だったけど、学校へ行くのは楽しくて、その分、家に帰ると一人っきりになりたくて、音楽ばっかり聴いていたあの頃。

 自分が大人になってみて気がついたのは、年齢は大人になっていても、頭の中は子供の時のまんまなんだという事実!世の中のほとんどの人は、大人のフリをしているだけで、中身は中高生レベルなんだよなぁ~!今の自分の根っこがこの時代に形作られたんだなぁと改めて感じたのです。

 いい十代を過ごさないと、一生つまらないままの人生になるのかも?当時はそんなことを考えもしなかったけどね。

 だからベースとドラムは一切いらんことすな。~中略~ それにあれは結局、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターにしかできないの。ビートルズで実はすごく演奏テクニックのあるバンドなの。あれを再現すんのはプロだって難しいんや。

 このセリフに大うけしちゃいました。だってこの間、中学時代の友達と同じ話をしたばっかりなんだもの。

 ポールのベース、リンゴのドラムス、そしてジョンのリズム・ギターは凄いんだから。おまけにシェイ・スタジアムのあの歓声の中で、ポールとジョンはきっちりハモってるんだよ!奴らはとてつもなく上手いんだよ!

 音楽好きなら読んでね!ぜったいにオススメの本です。キング堂さん、どうもありがとう!

884冊目(今年67冊目)☆☆☆☆☆

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コメント

Rokoさんおはようございます。気に入っていただけたようでなによりです。自分は関西の人間なので、この作品はさらに身近に感じられて愛着があります。この作品、ラノベ系のレーベルから出ているので、あまり一般の目に付かないようなのが残念です。これの姉妹編の「クレイジーカンガルーの夏」も素晴らしいので、機会があればぜひ。

kingdowさん☆ありがとうございます
自分の中学生時代にタイムスリップしたような気持ちになって読んでいました。
あの頃に出会った音楽は、一生わたしの中で生き続けるんだろうなぁと思います。
確かに、この本は他のブロガーさんのところで見たことがないので、積極的に奨めたいなぁと思います。
「クレイジーカンガルーの夏」も、この夏に是非読みたいと思います。(*^_^*)

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» ロックな小説 [キング堂 ブログ支店]
少し前に「本の雑誌」を立ち読みしていたら、とじこみハガキに「あなたがこれはロックだと思う小説募集」みたいなのがあったので、書いて出そうかと思ったのに他のところをウロウロしている間に買い忘れ、ふと思いだして本屋に行ったらもう次号が出ていた・・・・・ということでここで書くことに。 ロックそのものを扱った小説として真っ先に思い出すのはルイス・シャイナーの『グリンプス』。これはヘタレな青年がタイムスリップして、ジム・モリスン、ジミヘン、ブライアン・ウイルソンなどに出会い、幻のアルバムの完成に協力すると... [続きを読む]

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