『越境者 松田勇作』 松田美智子
どんな場にいても、アンテナを張っていなければ駄目だ。(本文より)
TVで初めて松田優作を見たのは、「太陽にほえろ」でした。「マカロニ」萩原健一の殉職後、七曲署にやってきた「ジーパン」は強烈でしたね!走る、叫ぶ、怒鳴られる、殴る、これが刑事?なんて声もあったけど、とにかくカッコ良かった~!!
ジーパンの殉職シーンの「なんじゃあ、こりゃあ!」は、松田優作のアドリブだったんですね。これが彼の故郷のことば、山口弁だったとは!この本で初めて知りました。
この本の著者、松田美智子さんは優作の前妻であり、現在はノンフィクション作家をされている方です。ですから、普通の人では知りえない優作の私生活や、人生観、俳優としての取り組み方などが、実に細かく描かれてします。
TVや映画のファンが見ていた松田優作と、私生活の松田優作が違うということは分かっていても、その余りのギャップに驚くことばかりです。
それではいけないと思えば、相手がだれであろうと激しく叱責する優作。自分の非を認めれば土下座して謝る優作。大勢の友人を集めて酒を飲み、映画や演劇を愛し、でも自分の秘密は決して誰にも明かさなかった優作。
何故そこまで自分の人生を難しいものにしてしまうのか?というくらい、生き方が下手だった彼の人生は、「壮絶」という言葉が似合うと思うのです。わずか39歳で優作が亡くなってから20年。やっとこの本を出しても構わないだけの時間が経過したということなのでしょうか。
ヒーローに伝説はつきものです。当時のマスコミは、「暴力」とか「傲慢」という形容詞がいつも彼にはつきまとっていました。でも、この本を読んでみて、彼のイメージがかなり変わりました。
松田優作とは、「孤独」と「恐怖」と「夢」をいつも抱えて生きていたんだなぁと思えてきました。
みんな、ちゃんとアンテナを張っていれば見えるものを、見ていないんだ。勉強しない奴は、冒険を恐れる。既成の安全牌を打って、対処しようとする。最初から逃げ腰では、凄いものが目の前にあっても気づかない。創造の場にいても、想像力のない奴が、うじゃうじゃしているからな。口では映画が好きだといいながら、基本的に勉強不足なんだ。この国の映画人は
896冊目(今年79冊目)☆☆☆☆☆
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