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『サイゴン・タンゴ・カフェ』 中山可穂


サイゴン・タンゴ・カフェ

 


 

中山 可穂
角川書店

 

 

 

 サイゴン・タンゴ・カフェはガイドブックにもホーチミン市の地図にも載っていない。なぜならサイゴン・タンゴ・カフェは旧サイゴンにではなく、ハノイにあるからだ。(本文より)

現実との三分間
 ブエノスアイレスで仕事をしていた頃、せっかくだからタンゴでも習ってみようかと、美夏はダンス教室をのぞきに行ってみた。そこで出会ったのは、

フーガと神秘
 典子の娘からエアメールが届いた。その内容は、アルゼンチンの男と結婚するのだという。結婚式に呼ばれたのだが、夫は飛行機恐怖症で一緒には来てくれない。しょうがないので、一人で飛行機に乗り込んだ。

ドブレAの悲しみ
 野良猫だったわたしは、今はバンドネオン奏者のおじいさんのアパートで暮らしている。このアパートには、さまざまな音楽家たちが住んでいた。ピアノ弾き、ヴァイオリン弾き、タンゴ歌手、そして各階に必ず一人はダンサーがいた。アパートの住人の半分くらいは、タンゴで生計を立てていた。

バンドネオンを弾く女
 鈴子の夫の浮気相手から「手切れ金を頂いたのですが、お返ししたく思います」という連絡があり、彼女と会うことになった。何で自分たち二人がこうやって会わなければならないのか?とも思ったが、話をしてみると案外いい人のように思えてきた。

サイゴン・タンゴ・カフェ
 ハノイの迷路のような旧市街の中に、タンゴ・カフェがあった。そこの女主人はかなりな年配のように見えるが、見事なタンゴを踊る。声をかけてみると、彼女は日本人なのだという。

 

 タンゴって魅惑的ですよね、特にアルゼンチン・タンゴは扇情的というか、大人の色気に溢れたダンスです。女性の動きに目を奪われがちですけど、実は男性のリードが大事なんです。リードが上手ければ、大して踊れない人でも踊れてしまうって、スゴイことだと思いませんか。

 この本に登場するタンゴに魅せられてしまった人たちは、その魅力に身も心も捧げてしまっています。タンゴを踊りたくて単身ブエノスアイレスに行ってしまった人、バンドネオンの演奏に命を賭ける人、踊ることによって相手を癒す人 ... etc. 

 

 世の中にはいろんな楽しいことがあります。すでにその楽しさを知っている人は、楽しさを知らない人に「やってみなよ!」と誘いをかけます。大抵の人は「いいねぇ」と同意はするけれど、なかなか実行には移しません。「そのうち」とか「いつか」とか言って、結局はやらずじまいです。

 でも、どこかでタンゴに出会ったら、「いつか」なんて言わない方がいいかもしれません。それまでつまらなかった人生が、突然変わってしまうかも、ね!

 

 バンドネオンの音って、魅惑的です。

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続 活字中毒日記
本を読む女。改訂版

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コメント

こんばんは。
バンドネオンの音色、聞いてみたかったんです。
嬉しい。
アルゼンチン・タンゴ。切なくて、悲しくて、情熱的で。聞いていてドキドキしてきました。

ななさん☆バンドネオンっていいでしょ!
わたしはミロンガへ行ってみたいなぁ(*^_^*)
どんな所なのか興味津々です。

Rokoさん、大変ご無沙汰しております。
以前活字中毒日記でお世話になりました、トラキチです。

少し前からネット復帰しております。
以前同様、仲良くしてやってください。

この作品、男性読者としては稀有かもしれませんがなかなか素晴らしいと思ってます。

Rokoさんのブログのバンドネオンの音色聞きながら読むともっと感動が増えそうですね。

トラキチさん☆おひさしぶりでーす。
そして、いきなりこの本ですか、いいぞいいぞ~!
こういうストーリーが好きなトラキチさんって、なかなかのロマンチストじゃありませんか。
中山さんはこれが初読みだったのですが、他にも面白い本がたくさんありそうですね。
チェックしてみまーす!
これからも、またまたよろしくお願いします。(^_^)/

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サイゴン・タンゴ・カフェ 中山 可穂 JUGEMテーマ:読書 ブエノスアイレス、サイゴン、ハノイ、東京を舞台に、アルゼンチン・タンゴをモチーフに、様々に心揺れる女性たちの姿を描いた短篇集。初出はすべて「野性時代」 中山さん、前から気になっていたんだけど初読みです。 タンゴのメロディー。バンドネオン。男と女の恋。女と女の恋。ブエノスアイレス。サイゴン。猫に作家。濃厚な空気が漂う中でなにやら繋がっているんです。読んでいるとタンゴが聞こえてくるようです。 「ドブレAの悲しみ... [続きを読む]

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