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『アカペラ』 山本文緒

アカペラ
アカペラ
posted with amazlet at 08.11.03
山本 文緒
新潮社

アカペラ
 お父さんは単身赴任です。お母さんは家出しました。家にはわたしとおじいさんが残されました。でも、こういうの慣れてますから。というか、母親がいない方が好きなんです。

ソリチュード
 おれは駄目な男です。親父が死んだので実家へ帰ることになったんだけど、財布の中身は4780円しかありません。この金だって人に借りた金です。

ネロリ
 弟は生まれたときから弱くて、大人にはなれないかもしれないと医者に言われていました。どうやら大人にはなりましたが勤めに出ることはできず、医者と図書館くらいにしか出かけることはありません。

 家族って難しいです。親が嫌いだからと家出をしてみても、それで縁が切れるわけじゃないんですものね。良くも悪くも親の影響は子供に大きな影響を与えます。

 この3つの物語に共通しているのは、どの親もかなり強引な人たちだってことです。それに付き合わされる子供の身にもなってよ~!って思います。

 決して家族を困らせようとしている訳じゃないけれど、結果としてワンマンな立場を形成してしまっている人って、かなりの確率でいるようですね。

 新しいことには何でも反対する親、親の言うことにはとにかく反抗する子供、なんてのは分かりやすい方です。

 親の言うことを聞いている振りをしてるけど、裏では舌を出している子供。子供に理解を示している振りをしていても、親が決めたレールを走ることしか許さない親。間に入ってとりなしているつもりでいるけれど、かえって関係をこじらせてしまう人も困ります。

 何でもかんでも我慢すればいいというものではなく、自分だけ良ければいいということもなく。家族は力を合わせて生きていく最小単位ではあるけれど、だからといって個人の自由を束縛しちゃいけないということを強く感じました。

 山本さんの作品は初読みなのですが、とても面白かったです。他の作品もチェックしてみようと思いました。

945冊目(今年128冊目)

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コメント

Rokoさん、こんばんは♪
TBさせていただいたつもりがまた失敗?(泣)

表題作はよかったのですが、6年ぶりの新刊、期待したのですが私的にはちょっと拍子抜けかなと思ってます。
かつての山文さんの凄い作品を読んできてるから余計にそう思ったのでしょう。

Rokoさんは初読みなんで楽しめたんじゃないかなと思ってます。
私も新人作家がもしこの作品を上梓されたら、絶賛しそうですから(笑)
それだけ直木賞作家のハードルは高いのでしょうね。

それではまた。

トラキチさん☆こんばんは
山本さんって凄いんですか?
勉強不足でした。(^^ゞ

こんばんは~♪
山本文緒作品は好きで以前かなり読み込んだのですが、トラキチさんと同じくこの『アカペラ』はちょっと拍子抜けかなぁ・・・という印象です。
私のイチオシは『恋愛中毒』です。もし機会があれば読んでみてください♪

私はこの本を特異な恋愛、コミュニケーション不全あたりがテーマかなぁと思って読んでいたのですが、確かにどの話でも親がかなり強引な人達でしたね。(^^;

板栗香さん☆おはようございます
わたしは山本さん初読みだったので、面白く読むことができました。
イチオシの「恋愛中毒」今度読んでみますね。

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