ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 2008年を振り返って(映画篇) | トップページ | 『きのう何食べた? 1』 よしながふみ »

『草祭』 恒川光太郎

草祭
草祭
posted with amazlet at 08.12.19
恒川 光太郎
新潮社

 「けものはら」、「屋根猩々」、「くさのゆめものがたり」、「天化の宿」、「朝の朧町」の全5編が納められています。時代や境遇は様々だけど、共通しているのは住んでいるところ「美奥」というところ。

 そこには不思議な言い伝えや、謎の場所があるのです。普通の人なら一生気付かずに過ごしてしまうかもしれない場所なのだけれど、ひとたび足を踏み入れてしまうと、その魅力に取りつかれてしまうのです。

 人には様々な生き方があります。そして様々な役目があります。自分が選んだのか、それとも誰かに選ばれたのか、どちらにせよ他人とは違う道を歩くものなのです。誰一人として同じ道を歩くことはできないのです。

 誰かを羨んだり、非難したりするのが好きな人が世の中には沢山います。でも、そんなことをしたって何も変わらないのです。むしろ、自分の無力さが強調されてしまうだけ。つまらないことです。

 自分にしかできないこと、自分しかやらないこと、自分の役目を見つけたら、他のことなど気にならなくなります。というか、他のことなど考える暇などなくなってしまうのです。

 誰かの後ろを付いて行くのは楽だけど、先頭の人にしか見えない景色というものがあるのです。1人で行かなければ見えない景色というのもあります。

 わたしが行く先に何が待っているのかは、いつでも謎なのです。

961冊目(今年144冊目))☆☆☆☆☆

トラックバック先
粋な提案
ナナメモ
目次が日本一のブログ
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
どくしょ。るーむ
しんちゃんの買い物帳

« 2008年を振り返って(映画篇) | トップページ | 『きのう何食べた? 1』 よしながふみ »

日本の作家 た行」カテゴリの記事

コメント

うわあ、この感想いいですねぇ!

いままでどれもみな読んできましたけど、いかにも恒川光太郎さんの世界を表現していて、「あ、またおもしろそう…」とうずうずしてきます。

きょう買ってこよう。

ディックさん☆読み始めたら止まりませんよ!
これまでとは、また違う恒川さんの世界を楽しんでくださいね。

こんばんは。
不思議な世界の魅力がいっぱいでしたね。
自分の役目を見つけられなくて、迷い・戸惑いの多い日々です。

藍色さん☆おはようございます。
クサナギが怖くもあり、でも興味津々なのです。

こんばんは。
美奥、神秘的な場所でした。
怪しく光るオロチバナやクサナギ。
恒川さんの世界、いつも素敵ですね。

ななさん☆こんばんは
美奥ってちょっと怖いけど魅力的ですね。
何処にあるか分からないけれど、きっとあるのだろうと思えてしまうんです。

これも素晴しかったですねぇ。
ホラーというよりファンタジィとして美しさに磨きがかかってますが、綺麗なだけではなくて、生きる力を与えてくれる良書でしたね。

goldiusさん☆おはようございます。
そうですね、不思議な力に守られているっていう気持ちになりました。
毎年1冊ずつなのだけれど、こうやって素晴らしい作品を送り出してくれる恒川さんに感謝です。

こんばんわ。
とっても素敵な記事ですね。
「美奥」という不思議で魅力的な町と、そこで生きる人々の姿が良かったですね。

i.a.さん☆こんばんは
この本に登場する人たちは、この不思議な町の力に支えられて生きているのかもしれません。
わたしが住んでいる場所にも、そういう力があるのでしょうか?

こんにちは。
作品とは関係ありませんが、著者紹介を見て、なるほどと一人頷いてしまいました。
恒川さんって沖縄在住だったのですね。
だから本土とは違う世界が見えているのかな~、と漠然とですがそう思いました。

しんちゃんへ☆こんばんは
最近は作家さんの住むところも色々になりました。
これもネットのおかげなのかしらん?
それにしても恒川さんの描く土地は、どこも不思議さにあふれてますね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『草祭』 恒川光太郎:

» 草祭 恒川光太郎 [粋な提案]
装画は影山徹。新潮社装幀室。初出「小説新潮」。架空の地域「美奥」での連作短編集。 今回も情景の描写が圧倒的です。独自の幻想的な世界が... [続きを読む]

» 「草祭」恒川光太郎 [ナナメモ]
草祭 恒川 光太郎 JUGEMテーマ:読書 ひっそりとした路地の奥、見知らぬ用水路をたどった先。どこかで異界への扉が開く町「美奥」。その場所は心を凍らせる悲しみも、身を焦がす怒りさえも、静かにゆっくりと溶かしてゆく。消えたクラスメイトを探す雄也、過去から逃げ続けてきた加奈江……人びとの記憶に刻まれた不思議な死と再生の物語を注目の気鋭が綴る。 恒川さんの物語。夏の終わりって物語が多かった気がします。恒川さんの物語は夏が似合うかもしれない。世界にひきこまれるから読み終わって「ふー」っ... [続きを読む]

» 『草祭』 恒川光太郎 新潮社 [目次が日本一のブログ(自称w挑戦者求む)]
草祭/恒川 光太郎 ¥1,575 Amazon.co.jp 五つの作品が収められている短編集で、 主人公は女三人と男二人で ジェンダーのバランスも素晴しい 珠玉のホラーファンタジー。 カードゲームで人を救う「天化の宿」は、 平成時代の作家にしか書けない大傑作... [続きを読む]

» 草祭 [どくしょ。るーむ。]
著者:恒川 光太郎 出版社:新潮社 感想文: 恒川さんの本は、あっという間に不思議な世界に引き込まれますね。 美奥という小さな町から異界に迷い込む、5つの短編。 『けものはら』は、行方不明の友人を探すうち、子供の頃に迷い込んだ不思議な野原にたどりつく、と....... [続きを読む]

« 2008年を振り返って(映画篇) | トップページ | 『きのう何食べた? 1』 よしながふみ »