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『モテたい理由』 赤坂真理

Motetai

モテたい理由

赤坂真理(あかさか まり)

講談社現代新書 1921

 すべてがメス化していくのは、「女性」が、消費(広告)にとってのフロンティアだったからだ。(本文より)

 女性向け雑誌は実に沢山ある。ファッション、ライフスタイル、育児、投資、などなど、様々な切り口で作られた雑誌だが、買ってまで読もうと思うことはない。

 女性向け雑誌をゆっくりみるのは美容院へ行った時くらいだけど、まずはその重さにビックリしちゃうのよね。カラー写真を多用しているから紙質も良くてずっしりしてるから、バッグに入れて持ち歩くには向かないよねぇ。

 そしてその内容には、いつも呆れてる。普通のOLがどうしてこんなに高価なものを欲しがるわけ?とか、こんな服着て満員電車に乗るわけ?「たまに行きたいお店」なんてのも、どうしてこんなに気取った店ばっかりなわけ?なんてね。

 「こんなのが流行ってます。」「ほら、こういうのがオシャレなのよ!」なんて雑誌に書かれると、それを鵜呑みにしちゃう人が世の中には何と沢山いることか!参考にしてます程度ならいいけれど、雑誌を握りしめて「これと同じのください!」と言って買い物している人もきっといるんだろうなぁと思っただけでも冷汗が出ちゃう!(-_-;)

 

 日本の女性誌は、「どう気を引くか」「自分が他人にどう見えるか」というかたちの関係性には過激なほど敏感で、そのためのノウハウも独自の言語規格もつくり上げたが、「恋人やパートナーとどう対話するか」ということは何も語ってこなかった。だから「ノウハウ」はみんな脳内妄想じみるのである

 だから電車の中で鏡に向かって化粧ができるわけよね。そんなところで化粧をしている自分の滑稽さなんて気が付きもしない。鏡に映った自分の姿がキレイであると思えれば満足しちゃう。といっても、その綺麗さの基準は自分勝手なものなんだけどね。

 

 あれだけ「モテたい」といいながら男性への思いやりや共感のかけらもない。利用できるものはカレ友でも利用する。男を金で値踏みする。さらには男性の好みさえろくに研究せず、同性の視線を意識したつばぜり合いを繰り広げる。細かいところで差異を競ううち、男性からはただ異様に見えるものが流行ったりする。断言できますが、ネイルアートが好きな男子なんていません!

 ふふふ、ここまではっきり言われちゃうとグーの音も出ないわね。正にそのとおり!女子が考えているオシャレって、実は女子に向かってしているものなのよ!女子からどんなに評判が良くたって、男子から見たら「どーでもいいい」ことだらけなんだろうなぁ。

 オシャレって自己表現だから、自分がない人にはとっても大変なことなのよね。だからセンスのない人にとってブランドって便利なものなんだろうなぁ。でもさぁ、ブランド物を持ってりゃ安心なんていうセンスじゃ、オシャレには程遠いよねぇ~!

953冊目(今年136冊目)

 

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