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『チャイナフリー:中国製品なしの1年間』 サラ・ボンジョルニ

チャイナフリー:中国製品なしの1年間
サラ・ボンジョルニ
東洋経済新報社

 2005年、私たち一家はわが家なりのやり方で中国との関係を見直そうと、文字どおり中国製品を買わない生活を送ってみた。(本文より)

 アメリカで何かを買おうとすると、電化製品も、食料も、おもちゃも、衣料品も、その殆どがアメリカ以外で生産されたものばかりになっていました。そして、その殆どが中国製品なのです。

 サラには2人の小さな子供がいます。その子たちに履かせる靴を買おうとスーパーへ行くと、そこには中国製の靴しかないのです。通信販売の分厚いカタログを開いてみても、高級な商品以外はすべて中国製です。

 同じように淘汰されてしまっているのが「おもちゃ」です。ハロウィーンの飾りも、クリスマスのプレゼントにしたいトラックのおもちゃも、ぬいぐるみも、中国の製品ばかり。

 夫のケビンがホームセンターへ買い物へ行っても、釘もビスも工具も中国製しかありません。海で遊ぶのに必要なサングラスも、ビーチサンダルも、スコップやバケツも、どれもこれも中国製ばかり。安価な日用品は中国製に占拠されてしまっているのです。

 ・他所からのプレゼントなら構わない。
 ・誰かが捨てたものなら拾っても構わない。

 中国製品を1年間は買わないと決めたボンジョルニ家ですが、この2点だけ例外措置を決めてあったのです。それによってかなり救われた時もありました。

 この本を読んでいてつくづく感じたのは、アメリカは中国製品なしではどうにもならない状態になっているということと、アメリカ人って何て買い物好きなんだろうってことです。そりゃぁ1つ1つは5ドル、10ドルという安いものだけど、おもちゃやお菓子、アクセサリー、Tシャツを実に大量に買うんです。

 サラはそういう買い物をしようとするたびに、商品タグに書かれた「中国製」という文字にぶつかるわけです。最初の頃は「ああ、買えない」「どうして、どれもこれも中国製なの?」という感じだったのが、ある時から「中国製だから買わないと決めただけで、買い物の量がかなり減った」という感じに変わってくるんです。

 クリスマスのプレゼントを選びながら、どうしてこんなに買い物をしなきゃいけないという強迫観念に襲われなけりゃならないんだろうと自己嫌悪にも陥ります。でも買っちゃう!まるで中村うさぎのように!

 日本も実は同じような状態なんですよね。いつでも買い物をしたくてしょうがない人で溢れています。決して必要なものじゃないんです。決して凄く気に入ったというものでもないんです。でも買ってしまうんですよ、あれもこれも!

 サラはこの1年を通して色んなことを知りました。子供用の運動靴はアメリカではもう生産していないということ。アメリカ製と書いてある商品でも、中身のパーツはすべて中国製である場合もあること。イースターも、ハロウィンも、クリスマスも、中国製品だらけだということ。アメリカは空洞化してしまっているということを。

970冊目(今年5冊目)

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心に残る本

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コメント

日本もそうなっちゃっているんじゃないかなぁと心配です。
もともとの元凶は100円均一だと思うのだけれど、あれ以降、安くなるのは中国、中国から安いのを仕入れるというのが当たり前になって、日本国内のものがだんだん崩れてきたんじゃないかなぁと心配です。
やっぱ、何かあったときの事を考えると、一応、すべてのものは国内で賄えるだけの力はおいておきたいですよね。
安いからって、食べ物も、生産労働力なんかも全部頼るのは怖いです。

樽井さん☆おはようございます。
日本にとっても他人ごとではない事態です。
まずは商品を買う前に生産国を確認する事だと思うのですが、愕然とすることは確かですよね。(-_-;)

この本、とても示唆に富んだ本でしたね。

日本の産業はまだ、アメリカほど空洞化していないとは思いますが、衣類など身近なものの産地がほとんどChinaになっているのは、なんだか悲しいです。

百円ショップで買ってきたのもがMade in JAPANって書いてあると嬉しかったりします。

牛くんの母さん☆こんばんは
日本でも、中国製なしではどうにもならない状態になりつつありますね。
買う買わないはともかく、身近にあるものがどこで作られたのかに、もっと関心を持たないとね。(#^.^#)

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