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『どこから行っても遠い町』 川上弘美

どこから行っても遠い町
川上 弘美
新潮社

 この表紙いいなぁ、谷内六郎さんの絵はいつ見ても心惹かれてしまいます。窓の外にいる男の人は誰なんでしょうか。知っている人?それとも知らない人?子供のころは大きく見えたおじさんなのに。自分が大人になってみると、それほどでもないんだなぁって気づいちゃったり。

 この物語に登場する人たちは小さな町で暮らしています。それぞれ勝手に生きているようでいて、どこかでそっとつながっている感じが、ジワジワっと伝わってきます。

 恋愛結婚したからといって、その情熱がいつまでも続くわけではないし、お見合いだから情熱的じゃないってわけでもないし、人と人との巡りあわせって不思議です。偶然に出会ったようでいて、すべての出会いは運命なのかもしれません。

 もちろんみんな、人はそれぞれに違っている。みんなでいる時は「みんな」という規格からはずれないように、違わないように、心をくばって、でもほんとうは、「人それぞれの違い」はちゃんとある。(本文より)

 誰一人として同じ人生を歩んでいないのに、まるでそんなことは無かったかのように「ふつう」の顔をして生きている人の多いこと!そういう顔に騙されちゃいけませんよ!よく話を聞いてみると、みんながビックリするようなことを、いとも簡単にやっている人が多いんだから!

 この人のどこにそんな強さがあるのか?と驚かされる人もいれば、今までどうして何もやらずに来ちゃったの?と、その消極性に驚かされる人もいます。

 人は皆、自分が普通だと思っています。1億人いれば、1億人分の自分らしさがあるんです。他の人の自分らしさをマネするもよし、無視するもよし、それを決めるのは自分なんですから。

980冊目(今年15冊目)☆☆☆☆

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日本の作家 か行」カテゴリの記事

コメント

川上さん、
結局コレしか読んでない・・・
http://tsutamaru.cocolog-nifty.com/blog/cat14681512/index.html

作風は、かなり好きなんだけどなぁ。。。

今年は、果敢にチャレンジしていきます!!
φ(.. ) カキカキ

こんばんは。
人は見かけによらないってこと、
ありますよね。
みんなが簡単にやっているようなことをできてなくて、
ビックリされる人に当てはまりそうです。
他の人の自分らしさをマネするところから
始めてみようかなって思います。
http://1iki.blog19.fc2.com/blog-entry-635.html

つたまるさん☆チャレンジ~!
椰子椰子が好きなんですか?
他のも是非読んでみてくださいね。

藍色さん☆おはようございます。
他の人のマネをしてみて、意外な発見をすることもあるし、マネが出来ない自分にビックリすることもあります。
面白い見本になる人、近くにいますか?

Rokoさん、こんにちは。
表紙。とても素敵ですよね。
ここにも何か物語があるように感じます。
どこかで誰かとつながっている…そう思うと、
なんだかほっこりした気持ちになります。

ましろさん☆こんばんは
>どこかで誰かとつながってる
みんな一人で生きているんじゃないということに気づくと、自然と優しくなれますよね。(*^^)v

人の繋がりって、あんまり無いようでいても、細いけどしっかりしたものがあったりしますよね。
その繋がりが色々と絡み合って、いろんな話があって...

ps.私もこの表紙の絵は気に入ってます。

yomikakiさん☆こんばんは
人の縁ってどこで決まるのでしょうね?
不思議な縁のある人って確かにいますもの。
わたしにとって谷内六郎さんの絵は、懐かしさのシンボルです。
子供の頃、この絵の女の子と同じような服を着てたなぁ~、なんて気持になってしまうのです。

Rokoさん、こんばんは♪
TB失敗かな(汗)
この作品心地よいですよね。
まるで最終編を読んだあとに、読者自身が12編目を演じているような錯覚に陥りました。
最後の真紀さんの登場が本当に物語を引き締めたのだと思います。
川上さんの作品なんか英訳してもその良さが出にくいでしょうね。
日本の作品の良さを示す象徴的な作家かなと思います。

トラキチさん☆こんばんは
川上さんの世界観は翻訳不可能でしょうね。
不思議な展開にも何故か頷いてしまうのは、その心地よさのせいでしょうか?

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