『あなたに大切な香りの記憶はありますか?』
コーヒーのことが、いま懐かしいわけじゃないの。これから懐かしくなるのよ。あなたはいま、未来の懐かしさを予感しているの。だから、何も思い出せないのに懐かしいの(コーヒーもう一杯 より)
キーコーヒー㈱のwebサイト「書茶」で公開された、夢の香り(石田衣良)、父とガムと彼女(角田光代)、いちば童子(朱川湊人)、アンタさん(阿川佐和子)、ロックとブルースに還る夜(熊谷達也)、スワン・レイク(小池真理子)、コーヒーもう一杯(重松清)、何も起きなかった(高木のぶ子)の8作品が収められています。
「アンタさん」の主人公は阿川さんを彷彿とさせるような女性で、とても好感が持てました。こういう人を選ぶ男ってきっといい人だろうなぁって思えます。
「コーヒーもう一杯」や「ロックとブルースに還る夜」のような青春って、今ではもうないのかなぁ?わたしにとっては、こういう時代感はとても共感できました。
そして、とにかく気に入ったのは「何も起きなかった」です。ウーン、こういうのって考えれば考えるほど怖いです。お化けよりも、何よりも、一番怖いのは女のカンだよなぁ!
子供のころ、実家のそばに材木屋さんが木を注文のサイズに切るための作業場があったんです。毎日その横を通って小学校へ通いました。ノコギリやカンナの音、周りに広がる木の香り、今でも材木屋さんへ行くと、その記憶が戻ってきます。
もう1つ好きなのが、お風呂屋さんの匂いです。家のお風呂でもないし、温泉でもない、お風呂屋さん独特の匂いが、たまらなく好きなんです。脱衣所には籐のかごがあって、大きな体重計があって、番台があって、風呂上りに牛乳を飲んで、なんて思い出が丸ごと詰まってるんですよね。
家族や友達と一緒に入るお風呂はとっても楽しかったなぁ!背中を流しっこしたり、湯当たりしてのびちゃったり、湯船で泳いで怒られたり、若いお母さんはあかちゃんのお風呂のいれ方を習っていたり、世の中のルールを教えてもらうのもお風呂屋さんでした。
ところで、サンスケさんっていつ頃までいたんでしょうね?
975冊目(今年10冊目)☆☆☆☆
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街の古本屋さんの匂いは、
「香り」じゃないけれども、
キライジャナイ(。-_-。)ポッ
ブックオフとかじゃなくて、
個人店。
でも、最近、
行ってないんだよね~。
まだ、あることはあるんです。
目的地に行く途中、チラッと店が見えるんです。
なんで潰れないんだろう?
不思議・・・( ̄∇ ̄;)
投稿: つたまる | 2009年1月24日 (土) 00:55
つたまるさん☆おはようございます。
古本屋さんにも独特のにおいがありますね。
>なんで潰れないんだろう?
ってあたりは、さおだけ屋にも通じる何かがあるのかも?
投稿: Roko(つたまるさんへ) | 2009年1月24日 (土) 09:13
こんばんは〜。
やっぱり香りといえば、自分にとってはコーヒーの香りでしょうか。どんなに疲れていても、気がめいっていても、かぐわしい香りをかいだだけでリフレッシュされた気になりますねぇ。
投稿: 樽井 | 2009年1月24日 (土) 22:47
樽井さん☆コーヒー大好きです。
イタリアのバールで飲んだエスプレッソは香りも味も最高でした!
ああ、思い出しただけでニヤケてしまいます。(*^_^*)
投稿: Roko(樽井さんへ) | 2009年1月24日 (土) 23:37